ダーリンは芸能人
□翔〜All I Want For Christmas Is You〜
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久美ちゃんと約束した日―
京介に聞いた夜景がキレイなホテルで夕食を終えると、俺たちは、そのまま最上階の部屋へ。
24時ちょっと前・・・時間も丁度良い。
外を見ると、東京タワーのイルミネーションが見える。
周りに同じ高さの建物がないから、ちょっと離れた夜景が照明代わり。
控えめなボリュームでクリスマスソングが流れているその部屋は、特別にクリスマスカラーになっていて、男の俺でもクリスマスムードが高まるのが分かる。
「・・・星に手が届きそう・・・」
窓の外を見上げながら、久美ちゃんが言った。
「取ってあげようか?」
「えっ?」
ビックリした顔をして、久美ちゃんが振り向く。
「クリスマスだし・・・俺が久美ちゃんに星をプレゼントしてあげる」
そう言って、俺はジャンプして手を上に伸ばした。
「ありがとう、翔くん」
勿論、久美ちゃんは冗談を言ってるんだろうとニコニコして、本気になんてしていない。
「ホントだってば。行くよ、3・2・1・・・ほらっ」
「あっ・・・」
24時丁度になり、東京タワーのイルミネーションが消えた。
それは、まるで空で光る星が消えたかのようで・・・俺は掴んだその手を久美ちゃんに見せた。
「メリークリスマス、久美ちゃん」
「わぁっ」