メイちゃんの執事

□青山
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お茶の用意が済み、部屋に戻って来ると、メイ様はまだ机に向かっていた。

以前なら、ボクの気配に気づくとお茶の催促をしていたのに、最近のメイ様は比較的嫌がらずに課題に取り組んでいる。

熱心に勉強している様も微笑ましく、そんなメイ様につい見惚れてしまう。

・・・ん?

さっきからテキストを見ながらメイ様が固まっている。

なぜか顔を赤くしながら。

「メイ様、分からないところがあるならボクが・・・」

テキストを覗き込んで、思わず言葉が止まった。

メイ様が見ていたのは、保健体育、それも性教育のページだった。

「なっ・・・何をご覧になっているのですかっ」

「あっ」

ボクは、メイ様からテキストを取り上げた。

「何って・・・来週の予習をしようかと・・・」

「来週?あぁ、そう言えば来週でしたね」

聖ルチア学園は通常の履修科目もあるが、外国語や心理学、国際情報学にお嬢様教育等、多岐に渡って教育している為、保健体育の授業は3ヶ月に1回しかない。

今学期の保健体育は来週というのは分かっていたが、ボクはまだテキストの内容までは確認していなかった。

「青山は・・・」

テキストを取り上げられ、下を向いていたメイ様が不意に顔をあげる。

「そこに書いてあるようなこと・・したことあるの?」
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