ダーリンは芸能人
□夏輝〜エイリアンズ〜
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誰かの不機嫌も寝静まる夜に
寝付けない二人の額を撫でて
禁断の実を頬張っては月の裏を夢見て
僕の短所を冗句にしても眉を顰めないで
暗いニュースが日の出とともに町に降る前に
無い物ねだりのキスで魔法をかけてみせるさ
撮影の休憩中、楽屋でメイクを直していたら携帯が鳴った。
夏輝さんからのメールだと気付いた私は、すぐに画面を確認した。
『撮影中かな?初めてのドラマで緊張してるかもしれないけど、知世ちゃんなら大丈夫!俺も応援してるから頑張って!!』
夏輝さん、忙しいのに気にかけてくれて優しいな。
「知世ちゃんをそんな顔にさせるのは、あの人からメールね?相変わらずラブラブね〜」
自然と顔がニヤけてしまって、モモちゃんにからかわれてしまった。
「ねぇ、夏輝くんにも、今日の知世ちゃんの姿、見せてあげたら?」
「えっ・・・恥ずかしいよ?」
「あら?私はいつだって誰に見せても恥ずかしくないくらい可愛くしてるつもりよ?ね、いいから貸してみて」
そう言うと、モモちゃんは私から携帯を奪い、カメラを起動させたようで、写真を撮るポーズをした。
「知世ちゃ〜ん、スマ〜イル・・・ほら、可愛く撮れた」
携帯を裏返して見せてくれた画像は、本当によく撮れていた。
これなら夏輝さんに見せても良いかも。
それに夏輝さん、この前・・・男の人って、やっぱりこういうの好きなのかな?
「ありがと、モモちゃん」
私は早速、メールのお礼と共に撮ったばかりの写メを夏輝さんに送信した。
と同時に、楽屋をノックする音が聞こえ、私は撮影に戻って行った。