ダーリンは芸能人
□京介〜THE CHEWINGGUM WEEKEND 2〜
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「ただいま〜」
「おかえり、翔くん」
久々に自分の部屋に帰ると、美桜ちゃんが笑顔で出迎えてくれる。
予め帰国する日を知らせたら、彼女が合わせて仕事の都合をつけてくれた。
「お仕事、お疲れ様。大変だったでしょう?」
「うん。でも・・・」
不思議そうに、美桜ちゃんが首を傾げる。
「美桜ちゃんが待っててくれるから、頑張れた気がする」
そう言って、俺は美桜ちゃんをぎゅっと抱き締めた。
「翔くん・・・あっ、お腹空いたでしょ?ご飯出来てるよ」
「えっ、あ・・・うん・・・」
具体的にどこってわけじゃないけど、美桜ちゃんに少し違和感を感じて、俺は彼女の瞳を覗き込んだ。
「なっ、なに?・・・恥ずかしいよ」
そう言ってはにかむ姿は、いつもの美桜ちゃんと変わらない気がする。
気のせいか・・・俺は、なんでもないと誤魔化して、美桜ちゃんの後に続いた。
「あー、美味しかったぁ。やっぱり美桜ちゃんの手料理が一番だね」
翔くんのお土産話を聞きながら、久々に二人で夕飯を食べた。
本当に美味しそうに食べてくれる翔くんの顔を見てると、私も元気になれる。
「久しぶりなのに、簡単なものしか作れなくて、ごめんね」
もっと時間をかけて料理したかったけど、今日は予定よりも撮影が押して、予定していた料理を作ることが出来なかった私は、翔くんから貰えるものの方が大きくて、なんだか申し訳なくなってしまった。
「そんなこと・・・美桜ちゃんだって忙しいのに、料理まで作ってくれて、俺、本当に嬉しいよ。ありがとう」