悪ノ物語
□―第二章―
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「…行きましょうか、リン」
「はい」
僕は、この王宮に別れを告げ、黄ノ国からは遠く離れた、歌ノ国へ向かった。
所々に音符が描いてあったり、所々にコンサート会場があったりと、とても個性的な国だ。
僕は、お母様に連れられ、友達の家だという家の前まで来た。
「大きい建物…お屋敷ですか?」
「簡単に言えばそうなるわね。 ここには、ピコと言う私の友達が住んでいるの。 内気な子で、なかなか話せないかもしれないけど、リンならきっとなんとかなるわ。 …さぁ、いきましょう?」
「はい」
お母様がインターホンを押した…は良いけど、『ピーンポーン』じゃないんだな、この国…
『メルト 溶けてしまいそう…』
歌…上手いな…
『はい、ピコです…あ、いらっしゃい、入って。』
「お邪魔するわね、ピコ」
『うん…』
口数少ないんだなぁ…
いや、なんとなぁく…