悪ノ物語

□―第五章―
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「…で? 話とは何かしら?」
「……私達国民には、生きていくための食料が不足しています!! 私達に、どうか、食料を分けて下さい!!」


私の前に跪いているのは、20代前半の、栗色の髪の女。
ただの布切れみたいなワンピースを着ている。


「民衆が、何をほざいているのかしら? あなた達は、そこら辺に生えている雑草と同レベル。 共食いでもすれば?」
「…!! この…この……悪ノ娘!! お前なんか…お前なんか死んじゃえ!!」
「…この無礼者の首を跳ねなさい!!」
「処刑されるなら、される前に、沢山文句言ってやるわ!! 金ばっかり使いやがって!! 人の気持ち、考えた事あるの!?」
「無いわ。 そんなの時間の無駄だもの。 …あぁもう、ウザい!! 早く牢屋にブチ込みなさい!!」
「はい。」
「ちょっと…やめなさいよ!! 離してっ!! まだ、お前に言いたい事は沢山あるんだ!!」


女は、ミホによって、牢屋に連れていかれた。


「私に歯向かうからいけないのよ。 …馬鹿ね。」
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