悪ノ物語

□―第一章―
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―サヨウナラ、リン。―
―もしも生まれ変われるならば、その時はまた、遊んでね。―
―そして、もしも生まれ変われるならば…その時はまた、一緒が良いね…―





『あら…おやつの時間だわ。』





―時は、8年前に遡る―


「レン〜!!」
「なぁに〜、リン〜」
「今日は何して遊ぶ〜?」
「ん〜…じゃあ、リンが大好きな、家族ごっこは?」
「えっ、良いの!?」
「僕は、リンが楽しいなら、何をしても良いよ!!」
「そっかぁ…ありがとっ」


―この時の僕達はまだ、世界を知らなかった―


「私はお母さんね!!」
「じゃあ僕は…お父さん!!」(って言わなきゃ殺されるもんね…)
「…今日は、結婚式しよ!!」
「うん!!……え?」
「だ〜か〜ら〜!! 結婚式!!」
「……しょうがないな、良いよっ!!」
「やったぁ!!」


僕はこの頃、リンの我儘に付き合っていれば、それで良いと思ってた。

ケンカした時も、いつも僕が先に謝った。
お母様やお父様の大切な物を、リンが壊してしまった時も、僕が代わりになってあげた。
他にも沢山、まだ幼い頃からリンに尽くして来た…
いや、尽くしたかった。

それは、今も昔もこれからも変わらないだろう。

全てリンの為、リンの幸せの為だと思ってた。
でもそれは…
後に、悪い結果をもたらす事になった。
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