novel2

□ホワイトデー・キッス
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ホワイトデー当日。

「跡部…これな、バレンタインのお返し」

部活後の部室に二人きり。

俺はシンプルにラッピングした、飴ちゃん入りの袋を跡部に渡した。

「サンキュ。キャンディーか?」
「そうやで、飴ちゃんや。今開けて食べてみ?」
「今かよ…まあいい」

怪訝そうな顔をしながらも、素直に袋を空ける跡部。

そんな丁寧に開けてくれんでもええのに。
ああ、俺も前に貰うたチョコの包みを丁寧に開けてたからか。

「表記がねえが、何味なんだ?」
「いちごちゃんやで」

ふーん、と呟きながら跡部が素直に飴ちゃんを口にほうり込んでもぐもぐしている。

サイズが大きめやから、頬っぺたがハムスターみたいに膨らんどってめっちゃ可愛え。

せやけど、悪いな跡部。

その飴ちゃん、タダの飴ちゃんやないんやで。

「ん…っ!?」

乾特製、媚薬入りの飴ちゃんや。
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