novel2
□俺達に触るなよ
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他人に触られんの、あんま好きやない。
まあ女の子とはそれなりに付き合うてきたけど。
あんまベタベタされると、人の体温とか皮膚の感触とか、うっとおしいねん。
別に潔癖症、って訳やないけど。
必要以上に触らんといて欲しいわ…。
「侑士ー!!」
「っ、なんや岳人…いきなり飛びつかんといてえな。びっくりするやろ?」
「悪い悪い!あのさー…」
今日も代わり映えのせん毎日。
岳人、嫌いやないんやけど、ちょおひっつき過ぎなんちゃう?
まあそんな嫌な顔もポーカーフェイスでバレへんけどな。
「忍足」
「…なんや跡部」
「ちょっとラリーに付き合え」
「ええで。ほな行こか」
跡部も苦手や。
特に親しげしてくる訳やないけど、相手を見透かす眼力がある。
お蔭でしっかり心を閉ざしとかんと、本心がバレそうになるわ。
「…っは…、良いラリーだったぜ。サンキュ」
「こっちこそおおきに…」
中央に歩み寄り、内心嫌だとは思いつつもいつも通りネット越しに握手をした。