novel2

□熱烈な賛美を受けて
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氷帝学園高等部を卒業後、忍足は手先の器用さを生かし、料理人の道を選んだ。

中学時代から有望なテニス選手でありながら、魚の三枚下ろしも器用にこなしてきた忍足。

何年かの下積み修行後、見事才能が開花し「千のメニューを持つ天才」として都内有名高級レストランで若いながらもシェフに抜擢される。

同じく若くして跡部財閥社長に就任した跡部は、忙しい仕事の合間にこの忍足がシェフを務める都内有名高級レストランに毎週必ず食べに来ていた。

当然ながら広々とした特別室。
跡部が来た時のみ、シェフである忍足も同席している。

周囲には勿論秘密だが、実は中学時代から二人は恋人同士であり、お互い忙しくすれ違いが多い逢瀬をこの時間に果たしているのだった。

「お疲れさん。今日の料理は『S(サカナ)S(さばいて)A(揚げて)S(しもうた)』やで」
「魚か…まあいい」
「肉ばっかり食べとったら栄養偏るやろ。次は跡部の好物のローストビーフヨークシャープディング添え作ったるからな」
「ああ…楽しみにしてるぜ」

照れたように微笑う跡部に、幸せそうな忍足。

このひとときが二人の最高の時間であった。
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