novel

□やがて旅立ちの朝が世界を映す
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間もなく新年が明ける。


日本人の年越しは炬燵で年越しそばを食べながら紅白を観るのがセオリーなんだと言う忍足に従って、その通りにしている。

ゆったりと時が過ぎるのは良いが、正直退屈だ。

ぬくぬくとした炬燵の温かさも相まってか、眠気に抗えない自分に気づいた忍足に抱えられ、ベッドへと運ばれた。

「もうすぐゆく年くる年なんやけど…しゃあないなあ」

なんだそれはと言いたかったが、眠くて言葉にならなかった。

ふわり、とベッドに下ろされ、隣に入り込んだ忍足が丁寧に布団を掛け、そして眠りに落ちる間際に、

「今年もありがとさん…来年も、宜しくな」

頬にキスをされたのを感じながら、瞼を閉じた。
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