novel
□毎日吹雪吹雪氷の世界
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南極の夏の終わり。
エンペラーペンギンの群れは繁殖の為、海から南極大陸の奥地へと移動していた。
長い旅の末に到着したコロニーでは、早速見初めた相手に熱烈な求愛の唄とダンスが繰り広げられている。
「宍戸さんっ、俺と一緒に愛の卵を育てましょう!」
「ピヨシ〜、結婚しようぜ!」
既に何組かのカップルは成立しているようだ。
その一方、
「跡部…、その…俺と結婚してくれないか」
「跡部く〜ん、俺と結婚しよv」
「俺もあとべと結婚したいC〜」
「たまらんペンギンだ…!」
どうやら一羽の美しいペンギンを巡って数羽が揉めている様子。
お互い短い羽でペシペシ叩きあって喧嘩している。
「アホかお前ら、跡部は俺と結婚するねん。あきらめや」
「「「忍足…」」」
結局熾烈な伴侶獲得争いを征したのは、千の技を持つ天才と名高い伊達眼鏡ペンギン。
こうしてこの二羽は無事に夫婦となった。
「愛しとるで…、景吾」
「侑士…、アッ…好きだっ…!」
そして厳かな儀式が終わり、一つの白い卵が誕生する。