魔王のかまぼこ

□第36話
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「・・・その紋様は・・・」


『あ、思い出した・・・』



第36話
勝ったってボロボロじゃん



「ベル坊、邪魔すんじゃねーよ
聞こえねーのか、とっととこいつひっこめろっつってんだよ」


「・・・アウ・・・」


「てめぇふざけんなよオレが負けるとでも思ってんのか」


『男鹿・・・でもよ・・・』


そう言いながら男鹿はゆっくりオレとベル坊のほうへ歩いてきた
そしてベル坊の前で立ち止まりベル坊とオレを見つめる


「負けねぇよ絶対」


『・・・何言っても聞かないってことか』


「そういうこった」


「・・・ちょっ、何言ってんのよあんた!!バカじゃないの!?
誰の為に私達がここまで来たと思ってんのよ!
せっかくつないだリンクをまた切るなんて許さないんだからね!!


大体アンタさっきまでボコボコにやられてたじゃない!!
大口叩くんじゃないわよっ!!」


『ラミアちゃん・・・』


「誰だ?」


『医者の助手だよ』


「ふーん」


男鹿を指差し怒鳴るラミアちゃんを不思議そうに聞く東条に説明するが
どーでもよさそうに返事をする・・・聞いてそれかお前((


黙ったままの男鹿にラミアちゃんはまだ言い続ける
まぁ確かにそう言いたくなるのはわかる


「アンタが坊ちゃまの力なしで勝てるわけないでしょ!!」


「(・・・その子の言う通りだぜ・・・男鹿
前の戦いでお前も、もう分かってんだろ東条は化物だ


まともにやって勝てるなら、湊ぐらいしかいねぇ
まぁ、言っても無駄だろうけど・・・いつ以来だ?あんな男鹿を見るのは・・・)」


「何度も言わせんなよベル坊
こいつはオレの戦いだ、てめぇは水さしていいもんじゃねぇ
それにな


こんなもんがなくてもオレも湊もどこへも行きやしねーよ」


『そうだぞ?それにちょっとでもベル坊の負担が減るように
オレも頑張るし』


「!!(ゼブルスペルが消えていく・・・!!)
・・・・・・バカなそんな事がありうるのか・・・?」


「・・・ふむ、これは予想外・・・自らの意思でゼブルスペルを消すという事は
いくら湊殿に抱えられ魔力が減ったとしてもベルゼ様にとってリスクしかない事
そして湊殿にもあの男の分まで魔力が流れているゆえ
大きな負担になっている事だろう、つまり


今三人の間には契約を超えた信頼関係が築かれつつあるのだ」


「ダ!」


「坊ちゃま・・・」


『さすがベル坊だな』


「ウィ!」


男鹿のゼブルスペルを消したベル坊をオレは抱え
男同士の戦いのために一時的にリンクを切ったベル坊を褒める
普通は自分に負担がかかる事なんて自分からやらないし、ね

 
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