魔王のかまぼこ

□第33話
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時刻は夜中の3時56分
誰もが寝静まる中ある男は古市の元へ来ていた


「古市殿、起きて下さい古市殿早く仕度を・・・」


「・・・ん・・・なんだよ、もう朝か・・・・・・?」


「合戦ですぞ、さぁこれを!」


そう言ったのは鎧を着て背中にあっぱれのハタを背負ったアランドロンだった
その姿に古市は驚き固まる、しかしアランドロンは気にせず古市にど根性のハタと
うっちゃれというハチマキ&たつみんとかかれた羽織を渡した


「・・・・・・」


「うむ、さすが似合いますな、さぁ行きましょう!!
古市・・・いや参謀殿!!敵は石矢魔にありですぞ!!」


「やかましぃ!!」


古市がど根性ハタでアランドロンの顔面を叩きバキッと言う音が響くが
その勢いと同時にアランドロンが割れ、古市はアランドロンの中へ入ってしまった


「はぁ、はぁ、くそっ最悪だ!
なんだっていつもいつもオレばっかこんな目に!」


そう叫んでいた古市だったが顔を上げて前を見た瞬間、言葉が止まった
その目の前には東条と男鹿と湊が立っていたからだった



第33話
どっち!?さぁね



風が吹き木々が揺れる中東条と男鹿、湊が向かい合って立っていた


「・・・(男鹿と東条、それに湊・・・!!
おいおい・・・オレの知らない所でなんだこの展開・・・!!)」


「遅かったではないか古市」


突然かけられた聞きなれた声に気付き古市は木の上を見る
そこには木の幹に腰掛けたヒルダがいた


「ヒルダさん!!」


「この一大事に・・・貴様だけ寝ているとは何事だ」


「・・・え・・・あれ?確かいなくなったんじゃ」


「たわけ、湊に言われ医者を連れに魔界に帰っておっただけだ」


そういうと同時に木の陰からヒョコっとラミアとフォルカスが現れた


「(医者・・・てことはこの女の子も悪魔なのか・・・?
・・・ずい分ファンシーな・・・)」


「フーンこいつが人間界でのベルゼ様の家来?キモ。
さっきからヒルダ姉様の太ももガン見してますよこいつ」


「(・・・ファンシーじゃ、ねぇっ!!つーか家来ってどーいう事!?
いつのまにそーゆー位置になってんの?オレ・・・)」


「違うぞラミア家来ではない」


「(そーだ!!言ってやってくれヒルダ姐さん!!)」


「奴隷だ」


「あー」


「(お゛ぉぉおおいっっ!!)」


心底気持ち悪いと言う顔をしながら毒を吐くラミアに
古市は固まっていた
そしてヒルダはラミアの発言の一部を古市を見下ろしながら訂正した


 
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