魔王のかまぼこ

□第23話
1ページ/3ページ



「暑い暑い暑いー」


『うっせー、言ったら余計暑くなんだろ』


「でもさー暑いだろ?」


『言うなっつってんだろ!!』



第23話
登場!!?誰が?



「ただいまー」


「はー疲れた、やっぱこっちは蒸し暑いわねー
貴之ー貴之!!いるんでしょ!?降りてきなさい


何だいるんじゃない電気もつけないで」


「お前なー心配したんだぞ、いきなり一人で帰ったりして・・・」


「お兄ちゃんの荷物私が持ってきたんだよ!?」


「・・・お・・・」


「お帰りなさいませ」


「「「(誰!?)」」」


一人先に帰った古市に色々言っていた家族だったが
古市と向かい合わせに座るアランドロンを見て固まるのだった
そして落ちついてから古市家族はソファーに座りアランドロンはその前に正座した
どこか懐かしい風景に見える((


「改めまして今日からこちらでお世話になります
バティム・ド・エムナ・アランドロンと申します
ふつつか者ですがよろしくお願いいたします」


「いやまてまて、まてまてまてまてまてまてまてまてまて」


「この国ではこうするものだと聞きました」


「まてって!!まったく意味がわからんだろーが!!
しねーよお世話なんて!!何言ってんの!?帰れ!!」


「何を今さら・・・・・・あんな事までしておいて・・・」


「あんな事ってなんだーーーっっ!!?
タチわりーなお前!」


ポッと顔を赤く染めるアランドロンに涙を流しながらツッコむ古市
かわいそうに((


「見ろっ!!全員固まるどころかおびえてるだろーが!」


「(一人だけ先に帰って・・・)」


「(一体何を・・・)」


「(タチ・・・)」


「違うからっ!!そーゆーんじゃないから!!最悪の想像やめてっっ!!」


「・・・いえね、我々がこちらに来て早数ヶ月
私もそろそろどこかに腰をおちつけねば・・・と
しかし・・・主君と同じ家に暮らすなど畏れ多い
そう思っていた矢先・・・先日あなたが私の中に入ってきた時に感じたのです
あぁ、この人にならこの身を預けてもいいのでは・・・と」


「「「・・・・・・・・・っ」」」


「ぶっ殺すぞてめーー!!!」


アランドロンの言葉は誤解を生み、古市はかわいそうなことになってしまったのだった
そして場所が代わり男鹿家では


「・・・あつい・・・あついあついあつい・・・
えぇいなんだ?この異様な暑さは、まだ午前中だってのに・・・
つーかうるせぇセミ、ぶっ殺すぞ」


『お前、いくら暑いからってセミに八つ当たりするなよ』


「そうでもしねぇとやってらんねーんだよ
エアコンもききやしねぇ・・・って38℃!?マジで!!?」


『どーりで暑いわけだ・・・』


「・・・あれか、地球温暖化ってやつか・・・
こりゃ魔王が何もしなくても人間滅ぶな」


ソファーに寝転びぐだぐだいってる男鹿を放置して冷蔵庫の飲み物を飲む
だってあんな話聞いてる方があつくなりそうだし
なんて思ってると美咲さんが降りてきた


「おはよーあっついわねー」


「おう姉き」


『はよーございます』


「って、うおっ!!何この部屋!!さらに暑っっ!!」


「あん?」


『そうなのか・・・?』


「おはようございます、どうしました?」


「ヒルダちゃん」


『ヒルダさんおはよ』


「あぁ、って暑っっ!!」


「だよね・・・あ、湊ちゃんアイスとって」


『あいよー』


「?」


美咲さんに言われアイスを取って渡す
その間にヒルダさんは二階に行って着替えてきたらしく
もどってきてベル坊を見てこの暑さの原因がわかったらしい


「夏風邪?」


「のようなものですね」


「(こいつのせーか)」


「ふーん」


『確かに目が据わってるな・・・顔赤いし』


「ほーれベル坊ー暑いかーアイスだぞー冷たいぞー」


「うー」


アイスをベル坊に近づけると当たってもいないのに溶けた
どんだけ熱放出してるんだ・・・?

 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ