魔王のかまぼこ

□第15話
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「ったく、本当に最低の奴でしたね
卑怯な手ぇ使いやがって、動揺させよーとしてんのがみえみえなのよ
ねぇ千秋」


コクコク

「葵姐さんあんな手にひっかからないで下
さいよっ!!
・・・・・・姐さん?」


「あいつ・・・バツ一なのかな・・・」


葵姐さぁああん!!!



第15話
恋のハリケーン?オレにも到来しそうです



「まずいわね千秋・・・あんたどう思う」


「・・・・・・」





全にほのじですね


キュン


「なぜモノローグ」


誰もいない廊下で二人は話しながら歩いている
その話題はもちろん先ほどの邦枝と男鹿の会話である


「・・・やっぱりそう思う?」


「はい」


「あの取り乱し方はそうよね・・・」


そして二人は先ほどのことを思い出す


「なっ・・・なな何言ってんの!?バッカじゃない!?
母親になれとか意味わかんないし!てゆーか勝負の途中にフザけんじゃないわよ!
アホらしっあーもう!!今日はこのへんにしといてやるわ!!バーカ
また会いましょっ!!」


「あっ・・・おい!!」


あっおい


あおい





「下の名前で呼ぶなーっ!!」


「姐さんっ!!」


「ちょっ待って下さいよ、葵姐さーんっ!!」



そして回想が終わるが、邦枝はきっと男鹿に惚れているだろう
ことがわかる


「・・・まさか葵姐さんうちら烈怒帝瑠の掟を忘れたわけじゃないわよね」


「・・・・・・」


ビュオォォ!


「少し、荒れそうね・・・」


そういい窓の外を見ると黒い雲が迫っていた
そして場所は代わって中庭になる


【ガガッ・・・ビ・・・・・・沖で発生した台風13号は
依然勢力を拡大したまま今夜半には関東地方に上陸するもようで】


「この、裏切り者がっ!!」


ガン


「ヒョ」


『おぉ、いけ古市ー』


「あぁやってやる!!」


勢いよくラジカセを男鹿の頭に投げつける古市を応援しながらベル坊を心配する
いや、あたったら絶対痛いもんあれ、男鹿もいたそうだし


「〜〜・・・っっ何すんだいってーな」


「やかましいこのスケコマシ!お前がそんな奴だとは思わなかったよ!!」


「何の事だよ?」


「何の事だじゃねーよ!!湊というものがありながら
他の女にまで手ぇ出しやがって!」


『そーだそーだ、ベル坊も同罪だぞー』


「ダ!?」


「はぁ?あほ、そんなんじゃねーよお前と一緒にすんな
見ただろ?あの邦枝って女のすさまじい強さ
ベル坊も珍しく喜んでやがった、あいつにならベル坊もなつくぜ」



そう言った男鹿にオレと古市はキョトンとした
つかいまの表情はちょっとキュンってした((


「そしたらこんな生活ともおさらばだ
フフッフフフ・・・ウハハハハッやるぜ!!オレはやる、やってやる!!
まってろよ湊!!もうすぐ開放してやるぜ!!」


『・・・・・・別にオレはどっちでもいいんだってば』


「(つーかまだあきらめてなかったの?)」


「必ずあの女にベル坊をおしつけてみせるっっ!!!」


「『情けねぇ決意だなおい』」


「・・・誰に何を押し付けるって?」


背に岩にぶち当たる波の背景を乗せて言い切る男鹿に突っ込んでると
オレと古市の間にいつのまにかヒルダさんが立っていた
 
 
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