魔王のかまぼこ

□第1話
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「おっ湊じゃねーか、丁度いいなお前もこい!」


『は?オレ今から帰って寝るんだけど
つかお前何抱いてんの?』


「まぁまぁ、こいつのことも含めて説明すっから!
古市のとこ行くぞ!」


『お、おい!押すなっつーの!!』



第1話
魔王拾ったって・・・俺を巻き込むな



どうも、湊です・・・
あの後強制的に古市の家まで連れて行かれ
現在、赤ん坊を抱えて廊下に座り込んでます


『はぁ・・・何が悲しくてこんなことしなきゃならねーんだ』


「アダ?」


『なんでもねーよ、赤ん坊は気にすんな』


「ダブダッ!」


『フッ、お前案外可愛いな・・・』


「ダー?」


首を傾げる赤ん坊の頭を極力優しく撫でると嬉しそうに笑う
かわいいな・・・そんで、暖かい
眠くなってきたな、と思っていると中から男鹿に呼ばれた


『お呼びみたいだな、行くか』


「ダブ!」


元気よく手を上げる赤ん坊を抱え部屋に入ると
古市がこっちを向いて硬直していた


「アダッ」


「いやー話が早くて助かるわ
な、本当に赤ん坊だろ?」


「ダーッ」


『赤ん坊は元気だな・・・オレは眠くてしゃーねーわ』


「お・・・」


「お?」


「おのれはずっとこれと湊を部屋の外に待機させとったんかーっ!!!」


「いきなり見せたらびっくりすんだろぉーがー!!!」


「ダーブーッ!!」


『ちょ、お前らうるさいっ』


ものすっごい取り乱す古市に男鹿も言い返し
赤ん坊が雄たけび上げて落ち着くのに少しかかった
そして最終的に古市がガクッと床に手をついた


「(アホだ、こんなアホ見た事ない)」


「―さて、古市君に湊君約束だ話の続きをしよーか」


「何で連れてきてんの、しかも人ん家に・・・」


『もう何でもいいけど眠い・・・』


「心優しい若者は驚きました「もういいよそれ!腹立つんだよ!!」


そして話は数時間前にさかのぼるらしい


心優しい若者は驚きました


「(うーむ・・・何だこりゃ?まいったぞどーする)」


そのときの男鹿の心境は


おが
→たたかう
 にげる
 おどす
 なかす
 ころす


とろくな物が無かったらしい


「(まてまて、ころすはマズい)」


そう考えてるうちに赤ん坊は男鹿の足元まで近づいていた


「(おちつけオレは大人だ、大人として対応するのだ・・・よし)
やぁボク、迷子?」


しゃがみ聞く男鹿だが顔が恐ろしい
イメージではものすごく爽やかだったが全然違う


「(ん?なんか違うな・・・顔?顔か・・・)
ちょっとまって」


「・・・アー」


「よぉーしよしよし、こっちにおいでー
(こうか?難しいな・・・目だ、目が笑ってねーからだ)」


「ちがうちがう、もうちょいタンマ」


ごしごしと顔をこすり顔を変えるがそれも変質者、もしくは誘拐犯の顔
しかし赤ん坊は嬉しそうだ
そしてまた顔をむにむにして変える


『「何してんの?お前」』


「・・・・・・・・・いや・・・」

 

 
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