WONDERFUL ミニSCHOOL LIFE

□意外な恋って言うな!
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夕焼けの色に染まった教室に、メガネをかけた男子が一人、ポツンと立っていた

   上野 正和

目立たないし、カッコイイわけでもなく、本当のサブキャラ

そんなかわいそうな男子のお話








俺は今日、振られた

学校のひそかなマドンナ

    麻生 真奈美

俺は今日、その人に振られた

1年からクラスがずっと一緒だった
少し天然で、綺麗な人

1年のころに一目ぼれした男子は少なくない
俺もその一人だった

彼氏はいない……はずだ

色恋沙汰には程遠いところにいる人だ


だが、俺の気持ちは抑えられなくなった

終わるのはあっけなかった


……いけない
目から塩水が出てきそうだ

ここは、放課後と言っても教室だ

あの人は用があるからと言ってどこかへ行ってしまった

ポツンと一人だけの教室

目を閉じると、案の定、塩水が垂れた


はぁ
こんな時、漫画的なシチュエーションだったなら膝にぽつぽつと落ちてくるんだろう
残念ながら俺はメガネをかけている

目を開けると、視界は水の中のようになっている

……見ずらい
はあぁ
ため息しか出てこないな
メガネ、とるか

学校では外したことがない

キュッキュッ

メガネがきれいになってくると、少しだが心がすっきりする


ガラっ


っっ!!!

瞬間的に後ろを振り返る

「あれ!まだ人いたんだ!!」

メガネをはずしていて、よく見えないが
声の主は石川 美波だ…たぶん
正直言って、苦手な奴だ

「…………?」

じっとこっちを見てくる?

なんだ?泣き顔がそんなに珍しいか?
つーか、空気読んで早く立ち去ってもらいたいんだけど…

「あ…の、だれ…ですか」

「は?」

同じクラスになってまだ日も浅いが、顔すら覚えられてもいないなんて心外だ

「…覚えてないのか?上野だけど」

「えっっ!!」

なんだその心底驚いた顔は!

「ええぇぇぇっっっ!!!うそぉ、マジでびっくりなんですけどォ!え…マーボ君なんでしょ?」

「そーだけど」

「はぁ…まだ少し信じらんないケド……………………」

なんだその間は

「言いたいことあれば言えば?」

「メガネ外した方がカッコイイよ!多分もてる!いや、絶対だね!!」

「え…/////」

自分の外見であまり褒められないから、不覚にも顔が赤くっ……!

「あ!いや、まぁ///////」

な、何でそっちが照れてるんだよ!

「あ、忘れもの発見!じゃあね!///」

パタパタパタ


〜〜〜っ////

ガタンッと音をたてて、椅子に座る



これが彼らの恋の始まり…?





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