WONDERFUL ミニSCHOOL LIFE

□ハチャメチャでーと
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彩ちゃんが「学校サボって、小島先輩の手伝いをしてこい」なんて珍しいこと言ったから、今日は久しぶりのデート的な感じになっている

いってきますと意気込んだものの…何をお手伝いしなければならないのかわからないし、行き先もわからないから不安になってきた

「小島先輩!どこ行くんですか?」

早歩きでどんどん先に行ってしまう小島先輩に必死について行く

はぐれたらどうするんだ!
ただでさえ混雑している道なのに

ヤ、ヤバい!
な、波に流される〜〜


ガシッ


手首を掴まれる感触
掴んだ手の主は小島先輩…じゃない!!

誰だよ!お前っ!!
妙に汗ばんでて、熱い手

や、いやだあぁぁ!
気持ち悪い!
キモイ!!!!!
何!何これ??
どうなってんの?

うちはパニックになって小島先輩を呼ぶことも、ひっぱられていくことも気が付かなかった

我に返ると知らない土地

ヤバいってこれ
何この状況!

目の前にはおっちゃんが一人
周りには誰もいないって

ヤバいってぇぇぇ

「ねえ、よく僕の手振り払わなかったね」

「今まさに振り払いたいっていうか放してくれませんか」

中年のおっさんが僕とかキモイわあ

「いやだよぉ、せっかくこんなきれいな手に出会ったんだもん!放せるわけないじゃないか!それに放したら君は逃げちゃうだろう?」

何この人…
本気で怖い!

「セクハラで訴えますよ!」

「そんなことしてないじゃないか、セクハラっていうのは変なところを触ることだよ」




「ほらこんな風に」




グッとうちの手を引っ張り、尻をなでる


「ぎゃあああああっ!!!」

ドンッ!

渾身の力を入れて目の前の変態を押す

「痛いなぁ」

なんとか離れたもののまだ手はつないだまま

「イケない子にはお仕置きしないと」

ランランと目をぎらつかせて近寄って来る男

「いやっ「あの〜ちょっとよろしいですか」


「「は?」」

うわあっ
変態と声が合っちゃった
てか今の声は

「小島先輩!!」

「なんだよ!邪魔すんじゃねーよ!」

「あー、まあそう思ったんスけど、嫌がってるし警察いたんで」

なんという弱気な態度!

「ちぃっ!クソ」

ばっとうちの手を放して走って逃げていった

「大丈夫か」

「…無理…ぽいです…」

小島先輩の声を聞いたら、安心して足が動かなくなった
そのかわりに涙が出てきた


「……ゴメン」


少し汗をかいた小島先輩は小さく謝ってうちが泣き止むまでずっとおろおろしてた


学校への帰り道

「大丈夫か」

本日二回目の「大丈夫か」
緊張したり、あわてたりすると一言しか言えなくなる小島先輩

「ハイ、もう大丈夫です」

うん、もう大丈夫!
右手には小島先輩の手

改めて確認するとやっぱり顔が赤くなる

「そう」

「探してくれてありがとうございました」

汗をかいていたのは、必死に探してくれた証拠

「二人の時は、敬語なしで」

「やった!めんどくさかったんだ!」

「……はぁ」

にししッと笑うと、諦めたのか、苦笑いで返してくれる

それにときめいたのは内緒のお話

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