【短編集】
□FutureHoney
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胸の奥で
チリチリと焼けるような
痛みを覚えて
これが恋だと気付いた時
お前は俺の前から姿を消したんだ。
FutureHoney
鬱蒼と繁る木々を駆け抜けると
少し開かれた場所へ出た
「ナルト!俺の後へ」
「おっす!」
少し離れていた背中同士が重なりあい
ベストの上から伝わる温もりに
少し安心して息を整える。
「結構やばい状態だね」
背中から呑気な声が聞こえてきてナルトは
この危機的状況の中なのに肩を揺らして笑ってしまった。
「もっと切迫感のある声で話し掛けてくれよ、カカシ先生」
「え、結構焦った感じで言ったんだけど」
こんな状況なのに、何故か大丈夫だと思えてしまうのは
預けている背中がこの人だから
ナルトはフッと笑うと気を引き締め直した。
二人のやりとりなど気にしない抜け忍グループは
今この時がチャンスだと、ビンゴブックに載る程の
有名忍者二人を倒そうと目をギラつかせる。
「その首を切り落とし、大金と名声をこの手に!!」
一人の抜け忍がそう叫ぶと、取り囲んでいた者達が一斉に飛び掛かった。
「ナルト後は任せたぞ!」
「りょーかいだってばよ!」
苦戦するであろう闘いが始まった。