【短編集】

□シカ誕・欲しいもの
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「最悪だってばーーーー
何でこんなになるまで
溜めておくのか分かんねーってば・・」


ナルトは火影室で
溜まりに溜まった
C・Dランクの報告書を
1人捌いていた。


下忍生活が長いナルトだからと
綱手はC・Dランクの報告書整理を
ナルトに放り投げ
飲みにいくぞーと叫びながら
シズネを半ば強引に誘いドロンしたのだ。


それにしても
報告書の山の様な枚数に
ナルトは1人で捌ききれる自信がない・・・


「あ”〜シカマルとかいたら
すぐ終わるんだろうなぁ〜・・・」


(はぁ呼べる訳ないか
今頃楽しんでるんだってばね。。。)


自分で計画してた筈の
大好きな人の誕生日会


サプライズで1週間前から
居酒屋の宴会室を予約して


甘いものが苦手な彼の為にと
甘さ控えめのバースデーケーキまで
用意していたのに・・・


まさか当日
こんな事になろうとは


「慣れない事は
するもんじゃないってばねぇ・・トホホ」


目じりに涙を溜め
以前減ることのない
報告書を整理する。


紙同士の刷れる音が
やけに耳に寂しく聞こえ
溜息しか出なくなってくる




カタン




微かな物音が
背後の窓際から聞こえ
振り向くナルト


「・・・え?」


そこには
居酒屋でみんなから
お祝いされている筈の人が
窓枠に足を掛けながらしゃがんでいる。


「・・・なんで?」


口をポカンと開き
何でこんな所に居るのだと
青い瞳が語りかけている


「お前こそ何でこんな所にいんだよ?」


通じたのか
帰ってきたのは
逆に問いかける言葉だった。


「おっオレは任務で
ここに居るんだってば!!」


「へぇ〜そうかよ・・・
宴会室まで予約してた幹事さんが
主役ほったらかしで仕事かよ?」


意地悪そうな顔で
言われナルトはバツが悪そうに
顔を逸らす


「おっオレってば
幹事じゃねーもの・・
キバが幹事だってばよ!!」


「ばーか・・
キバが言ってたぞ
お前が当初の幹事だってな」


「なっ!・・キバの奴・・」


言うなとでも
口あわせしてたのだろう
簡単に口を洩らした悪友に
ナルトは舌打ちする。


「お前
そんなに俺の誕生日を
祝いたかったのかよ?」


シカマルは
慣れない店の予約をしてまで
自分の誕生日を祝いたかったのか
知りたくてナルトに質問する。


「たったまたまその日が
休みだったってばよ・・?
そんでたまたまシカマルの
誕生日だっただけだ・・・」


耳朶まで真っ赤にして
視線を宙に浮かせながら
発する言葉にどれだけの真実があるのやら・・・


「ぷっ
お前その顔で言っても
無理があんだろが」


腹を抱えて笑うシカマル


長い金糸を振り乱し
抗議するその姿が
可愛くて


シカマルはナルトへと
ゆっくり歩を進める


数秒後


喚く可愛い口は
シカマルの唇に
蓋をされ


いつも弾けるような
笑顔を向けるその顔は
真っ赤に染まる


「ありがとうな・・ナルト」


重なった唇が離された瞬間
シカマルの口から
ナルトへ感謝の言葉と


今までに見た事のない
シカマルの柔らかい微笑みが
ナルトだけに向けられれば


ナルトの心臓が
煩いくらいに音をたてる。



「////っ、シカマル・・・
大好きだってばぁ」




「俺も好きだ・・・ナルト」



本当に”欲しいもの”を
やっと手に入れた


シカマルは
一生手放さないと
腕の中の柔らかい存在を
力強く抱締めた。






END






あとがき

なっ長かった!!
シカ誕小説なのに長いw

最後まで
お付き合い頂いた方は
シカマル中毒者様ですね?(笑)

来年もシカさん祝える事を
祈りつつ今日は1日脳内で
お祝いモードで過ごしまっすvvv
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