【短編集】

□タバコ依存症
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「あ”〜マジめんどくさかったぜ・・・」


自分の部屋でそう呻く男は
彼氏のシカマルだ。


今日は同じ上忍の
アスマ・カカシと
よく一緒に任務を組む
上忍達と飲み会だったらしい


他人にあまり興味を示さない彼だが
師であるアスマに誘われてしまえば
断る事など出来なかった。


「よぉシカマル、
ナルトが大事なのも分かるが
たまには他の奴等と
コミュニケーションをとれ!

酒を飲みながら砕けて話せば
仲間同士の絆も深まるぞ?」


アスマの言葉に間違いはないのだが
ただ単に酒が飲みてーだけじゃねーの?かと感じてしまう


自分の目の前で
物凄いスピードで酒達が消えていく


そして自分の斜め前に座る
ナルトの上司カカシと
砕けて話すなんて事もしたくないのだ。


(あぁーマジめんどくせ・・・)



しかし参加した手前
飲まない訳にもいかず
付き合いで飲んでいたが


飲むスピードと同じくらいに
タバコを吸うアスマと
他の上忍達


煙たさにシカマルは
涙目になる


そんなシカマルを見て
斜め前に座るカカシが
クスっと笑う


「何がおもしろいんっすか?」


「え?別におまえの事を笑ったんじゃないよ〜
ナルトの事を思い出してたんだよねぇ」


それなら尚更気に入らない
上司だとしてもナルトは自分の恋人で
他の男の思い出の中でさえも
存在して欲しくはない


「そんな顔しないでよ〜
今日は絆を深めるお酒の席でしょ〜よ?」


カカシの言葉に
絆なんてこれっぽっちも
深める気などないと
シカマルの顔が伝える。


「まっ別にいいけどね
どんなにおまえがナルトを
愛していても、
俺とナルトの思い出だけは奪えないからさ♪」


腹の辺りに
どす黒い感情が蠢く


アスマが居なければ
今ここでカカシを打ちのめしていただろう


恋人の事になると
シカマルは冷静ではいられなくなるのだ。


「おいおい・・・
そこの2人はなーに黒いオーラ出してんだ?
楽しい酒の席だろうが?

おら、シカマルも眉間に皺寄せてねぇで
これでも吸ってろイライラが無くなるぞ♪」


ぽいっと受け渡されたのは
数本だけ残っているタバコの箱
その隙間にはライターが挟まっている。


普段なら吸わないが
(恋人が嫌がるので)
今日は斜め前にいる男のせいで
久しぶりに胸がムカムカしていて
吸わずにはいられなかった。
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