【金紅の廻間】

□E【金紅の廻間・変化】
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「どうしたんだ!?」

「分かりません…」

「分かりませんじゃないだろう!!」

(こっちの方が理由を知りたいよ…)

と、聞けないカカシは
今綱手に尋問を受けている。

会話が進まず
答えを知っているであろう
人物は未だ夢の中

「「はぁ〜」」

綱手とカカシの溜め息が重なる

バタバタバタッ
ガチャッ!!

「ナルト!!?」

部屋に走り込んできたのは
血相を変えたシカマル

「綱手様!!ナルトは
ナルトは大丈夫なんすか!?」

「あぁ…命に別状はない
だが倒れた理由は分からん!!」

「…そうっすか…」

「シカマル…
お前何か知っているね?」

綱手は何か含んだ言葉と
シカマルの顔にナルトが
倒れた理由がある気がして
聞き出そうとしたその時

『…煩い…』

ナルトが眠るベッドの方から
不機嫌そうな低い
ナルトとは違う声がした

三人がナルトの方を
振り返るとそこには
上半身を起こし
真紅の瞳のナルトが
此方を睨んでいる

「…ナルト?」

カカシがナルトに声を掛けるが
普段とは違う能面のような
表情のナルトに違和感を感じていた

『俺はナルトじゃない…』

「「!?…狐火」」

綱手とシカマルは
知っている人物の名を呼んでしまった

「…狐火?
狐火は確か…
今の暗部総隊長の名前でしょ?」

何で今その名前が出るのだと
カカシは不思議思っていたら
ナルトの周りが赤い煙りに包まれる

煙りは少しずつ消えはじめ
煙りから表れたのは

真紅の瞳と
同じ色彩を放つ長い髪
顔は端正で見目麗しく
居るだけで艶を醸し出す

ナルトとは全く違う人物

「…これはどういう事…」

カカシは粒やきながら
その人物から目が離せないでいた

「どういうつもりだい狐火?」

綱手はその人物を
゛狐火゛と呼んだ

「狐火??
綱手様…何をっ」

カカシの言葉を
シカマルの手が遮る

「あー…そうか…

元暗部でコピーするしか
脳のなかったコイツは
この姿初対面だったなぁ?」

ナルトであったはずの人物は
ナルトが絶対に
言わないような事を
さらっと口にした

「驚いたか?
ナルトに信頼されてる割には
この姿を見せて貰ってないんだな〜お前♪」

クツクツと笑う口元
しかし真紅の瞳は笑っていない

「やめろ!!
この事は最重要気密事項だ…
里の上役さえも知らんのだぞ!!」

綱手は狐火を睨む

「でもそこのシカマルは
知っているよね?」

カカシは゛えっ!?゛とした顔で
シカマルを見やると俯いている

「…何で、、
何でですか綱手様!!?
上司で監視役である俺が知らないで

何故シカマルが知っているんだ!!」

「ッ…それは…」

「ハハハッ!!
元暗部のお前には関係ないからだろ?
シカマルは俺の部下だ
知っていて何が悪い?」

狐火はカカシを煽るように
言葉を吐く

「シカマルが…部下…だと」

カカシは狐火の言葉で
全てを理解した

「はっ♪コピーだけが
取り柄かと思ったが
脳ミソはちょっとは使えるなお前…

でもお前なんて要らないが。」

ナルトである人物から
要らないと言われ
その存在さえも知らされていなかった事にカカシは膝が震える

「やめろ狐火!!
それ以上何か口にしてみろ…」

綱手の言葉は狐火の
殺意を含んだ視線に遮断される

「口にしたら何だ?
ははっ俺を殺すのかな?

殺せよ?
殺せるもんならな!!」

刺す視線と言葉に
綱手の背筋に一筋の
冷たい汗が垂れる

火影と呼ばれ
伝説の三忍と呼ばれた
綱手にしても狐火の力には
到底及ばない

「どうしたんだい狐火…
お前は今までナルトの
空間に入る事は無かったじゃないか?」

綱手は理由を知りたかった

「俺も詳しい理由を聞きたい
教えてくれシカマル」

理由を知っている本人は
何故かシカマルに問う

綱手は何でシカマルが
狐火の異変を知っているのか
不思議そうにしている

「知っているな、影襾?」

暗部の上司である
狐火の問いかけに
シカマルこと影襾は
俯いていた顔を上げた
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