【短編集】
□帰郷と宴
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「はーーーーーーー
ヒッサシぶりの木の葉の里だってばよ!!」
高い塔の上から
里中を眺めるその姿は
かつての幼子を
ほんの少し残すが
17歳という
少女と大人の境界線で熟れ始めている。
伸ばされた金糸は
5年の歳月で腰近くまで伸び
風をうけなびいて輝く
細い首筋や
バランスよく伸びた手足
胸もそんなに大きくはないが
服の下から主張している。
誰がこの少女が
ナルトだと思うだろうか?
しかしその碧眼と金糸は
この里には1人しか居ない色彩
頬にはしる3本線は
疑いようのないナルト
その人であると言う証明。
(綺麗になったな・・・ナルト)
目を細めその姿に釘付けになる
でもそれは親と同じ感情で
育てた子供への愛情。
異性への愛ではないのだ・・・
「あ”−−−−−−−−!!!!」
何かを見つけたナルトは
大声を張り上げて瞳を輝かせる
「シカマル発見だってばよ!!!」
出された名前は
アカデミー時代よく
悪さをした悪戯仲間で
5年ぶりに見る姿は
大人の男へと成長していた。
それでも昔と変わらぬ
髪型や歩く姿に嬉しくなる
塔の上でなびく金糸は
次の瞬間シカマルの背中へと
へばりついていた。
(もう一緒に居る事もなくなるのぉ)
自来也は先程までいた
塔のてっぺんでなびいていた金糸を
昔のナルトと比べ
空しい気持ちを渦巻かせていた。