【短編集】

□スキと言えなくて
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『 スキと言えなくて 』







「おはようってばよ♪」



木の葉の賑やかな商店街
一際賑やかなその場所で
ナルトが笑顔を振り撒き
朝の挨拶を里人達と交わしている。



まだ復興の最中だと言うのに
その笑顔は曇る事を知らず
皆の心を暖かくしていた。



「おー!!おはようナルト
これから任務かい?」



店先にいた店主がナルトに声をかける



「そうだってば♪
おっちゃんも何か手伝って欲しい事あったら
オレに言ってくれってばよ。」



「英雄に手伝ってもらえるなんて心強いな♪」



店主の言葉に照れ笑いするナルト



ナルトはペイン襲撃後から
里の英雄として称えら
人々からその存在を認められていた。



「よっ英雄さん、
英雄さんもこれから任務かよ?」



急に後ろから声をかけられ
振り向くと馴染みの顔



「シカマル!?
こんな所で何してるんだってばよ?
確か食料補充の任務中だろ?」」



「ちょっと・・・私もいるんですけど?」



イノが呆れた顔でナルトに声をかける。



「あっ・・ごめんってばイノ」



「まったく・・・
(どんだけシカマル好きなのよ)

今さっきシカマルが
”英雄さんも任務かよ?”って言ってたじゃない
私達もこれから任務で綱手様の所に行くの。

英雄になってもナルトは相変わらずね〜
ちなみに、食料はさっき猪の群れを捕まえたわよ♪」



ナルトはシカマルに会えた嬉しさで
胸がいっぱいで、シカマルの言葉まで
聞き取れていなかった



ナルトは恥しいのを隠すように
イノにつっかかる



「イノ、相変わらずって何だってばよー!」



シカマルがナルトを見つめる



(相変わらず騒がしい奴だな、
でもこの騒がしさが今のこの里にも
・・・俺にも必要だ)



「まぁ落ち着けよナルト、
綱手様の所に言って早く任務を終えたら
今夜は猪料理で腹いっぱいになれんだぜ?」



シカマルの言葉にナルトの顔が輝く



「久しぶりの肉料かぁ〜
今夜が楽しみだってばよ♪」



3人は楽しそうに会話をしながら
復帰して間もない5代目火影こと綱手の元へ向かう。









「「「失礼します、てばよ。」」」



仮設として建てられた平屋の戸を開けると
綱手とシズネ、ヤマトが既に待っていた。



「あれ?ヤマト隊長が何でここにいんの?」



ナルトがヤマトの姿を見て
驚いた顔を向ける



「僕がいたら可笑しいのかな?」



「だって、ヤマト隊長ってば
復旧作業の第一陣の隊長だろ?
木遁で家建ててるって聞いたってばよ?」



クスリと笑うヤマト



「1日中木遁使ってたら
タフなナルト違って僕は
チャクラ切れしちゃうよ」



ヤマトは両手を挙げて
やれやれと首を振る



「タフなオレでも
1日チャクラ使い続けたら
チャクラ切れするってばよー!」



ナルトは唇を突き出し
自分の長い金糸をガシガシと掻く



「そろそろ本題に入りたいのだけどいいかしら?」



シズネが声をかけ
任務の話に入った。



今回の任務はヤマト率いる
シカマル・イノ・ナルトの
フォーマンセル



任務内容は木の葉の里近辺で
資材になりそうな木の選別と運搬だ。



「えーーーー!?
センベツはいいとして・・・
運搬はチョウジやサクラちゃんとか
力のある人担当じゃないの?」



「まぁまぁそう言わないのナルト
お前今の言葉サクラが聞いてたら大変だぞ?
(あっなんか今の言葉カカシ先輩っぽいなぁ・・)
チョウジ君は食料の運搬があるし
サクラも医療班の仕事があるんだ
余った僕達でやるしかないんだよ。」



大人のヤマトがナルトを宥めるが
それでも不満なナルト



「もっとかっこいい任務がー」



そこまで言うと
今まで黙っていた綱手が声を上げる



「グチグチと好き勝手に文句を言いおってからに・・・
このバカ者がいいから行ってこい!!!!」



怒鳴り声に吹き飛ばされるように
ヤマト率いる小隊は平屋をあとにする。



「ナルト・・・
かっこいい任務ってなんだよ」



少し呆れ顔のシカマルが
ナルトに声をかける



「えっ・・かっこいい任務は
かっこいい任務だってばよ・・」



自分で言っておきながら
かっこいい任務がどんな任務なのか
ナルトは考えていなかった。



(やっぱり何も考えなしに言ってやがったか
まぁナルトらしいけどな、)



クスリと笑うシカマル



「わっ笑うなってばシカマル!」



「笑ってねーだろ」



「自覚ねーのかよ!今
クスッて笑ってたってばよ!!」



笑った笑ってないと2人で騒ぐ場所から
少し離れて歩いているイノとヤマト



「ナルト、嬉しそうだね」



「シカマルも顔には出てませんけど
凄い嬉しそうです・・
やっぱり好きな人との任務は特別なんでしょうね」


「えっシカマルもナルトの事・・・」



「えぇ、両想いですよあの2人」



「ナルトは表情に出るから知ってたけど・・
シカマルも好きだったとは分からなかったよ。
(元暗部の僕が気付かない程なのにイノには分かるのか・・)」



「シカマルとは付き合い長いですからね〜」



「そうなんだ(そう言う事か・・・)」



「なんでくっつかないのかな?」



「あの2人も付き合い長いですから
今更恥しいんだと思います。
私的には男であるシカマルから
告白するのがいいと思うんですけどね」



「いやー・・・顔に出ないのに
言葉に出すとは、僕は思えないな」



「ヤマト隊長もやっぱりそう思います?」



「うん、そう思うよ」



「じゃぁ協力してくれますか?」



「え”・・・何のかな・・?」



「ふふ、、そんなのひとつしかないじゃないですか♪」



「そうだよね。。。。
乗りかかった船だ協力するよ。」



「流石!話が分かりますねヤマト隊長♪」
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