【短編集】

□振り向いて
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カカシ先輩ほどでもないが


それなりに
女性からのお誘いは受ける


今日もまた待機室を出ると
視線の先で黄色声がして


熱を帯びた視線を感じる
声をかけられた。





【振り向いて】





「ヤマトさんって
今日の夜とか暇ですか〜?」


ねだるような瞳で
見上げるそれは
男であれば悪い気はしない。


しかしこの鼻につく
香水の薫りは頂けない…


忍として
この匂いはどうなんだと
真面目に考えてしまう


女性に誘われなが
そんな事を考えている自分に
笑ってしまう


女は僕の微笑みが
OKの合図だと勘違いしたのか


待ち合わせ時間と
場所の詳細を告げていた


「ヤマト隊長ーーー!!」


バタバタと忙しない足音と共に
聞き慣れた声に振り向くと


見慣れた金糸を豊かに揺らし
眩しい笑顔を散りばめていた。


ずっと走って探していたのだろうか
ナルトの息が上がっていた


自分を一生懸命探していたと思うと
嬉しくなってしまう


「ハァ…ハァ…ねっねっ
ヤマト隊長ってば今日暇?」


ナルトの発した言葉を
女が耳にすると顔を顰める


今まさにヤマトの
今夜の予定をGETしていた
女がナルトを睨み口を僅かに開く


「女狐がっ…」


聴こえない声で呟いたのだろうが
ヤマトにはバッチリ聴こえていた。


ナルトは一応自分の部下であり
修業にも付き合うくらいの
親しさはある。


大切な部下だからなのか…
女の言葉に凄く苛立った。


「ヤマトさんは
今日私と先約があるのよ〜
ごめんなさいねぇ」


分かったなら邪魔をするなと
女は冷たい視線をナルトへと投げる。


「そっか〜…
ヤマト隊長ってばデートなんだな
邪魔して悪かったってば!!」


何を勘違いしたのかナルトは
邪魔したといい踵をかえし
去ろうとした。


瞬時にナルトの細い手首を掴み
細い腰を自分の身体へと引き寄せる


自分の前から去る事を許さないと
いった感じの自分自身に驚く


(そうか僕はナルトの事が・・・)


1人心の中で呟いてみると
何故先程、女の言葉で
苛ついていたのかが分かった。


自分の胸元で固まるそれに
優しい笑顔をむけ終わると
コチラを見詰める女に声をかける


「君さ・・
何を勘違いしたのか知らないけど
僕、行くとは一言も言ってないよね?」


「・・・」


「それに
君から漂う匂い酷く臭いよ
悪いけど吐き気がするんで帰らせてもらう」


にっこり笑うヤマトだが
瞳の奥は笑っていない。



「・・・ひっひどぃ」



女は瞳に泪をいっぱいため
走り去っていくが
ヤマトは振りかえろうともしない。


「・・ヤマト隊長
今のはちょっと酷いってば・・」


優しいナルトは
”女狐”と罵られたのも知らず
去っていた女を気遣った。


「ナルトは優しいね」


金糸を撫でると
ふわふわして
お日様の香りが鼻をくすぐる。


先程吐き気がすると言ったのは
嘘ではなく本当で
少し匂い酔いしていたヤマト


柔らかい金糸に
顔を埋めると
胸いっぱいに自分から
その匂いに酔いしれる


「やっヤマト隊長?/////」


ナルトは身体を抱きしめられ
頭にはグリグリとするヤマトの顔


修行に付き合ってほしかっただけなのに
何故こんな事になっているのやら・・・


ナルトは一生懸命
脳内で事を整理している。


”うーん””えっとぉ”と
呟く様子が可愛くて


ヤマトは
もう少しこのままで・・・と
ナルトを離してはやらないのだった。




END。。。




−−−−−−−−−−−−−−




↓オマケ↓




「・・・何してるのかな
テンゾウ?」


背後で恐ろしいほどの
殺意を感じ


ギギギっと首を回す


紅い瞳が
僕の瞳を至近距離で捕まえ


次の瞬間
意識は暗闇へと落ちていく


「わーーーーヤマト隊長!!」


慌てふためき心配する
彼女の声が凄く嬉しい


次に目が覚めたら
この感情を伝えてしまおうか?


さてどんな風に
振り向いてくれるのかな・・・


楽しみだ。







【あとがき】


ヤマト隊長の怖い部分とか
凄い好きです!!
優しいのに恐怖とか萌える!!

ヤマナルまた書きたいな〜vv
 

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