【短編集】

□悩みの種
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悩みの種





曲り角を曲がると
視線の先に派手な黄色に気付く。


(おっ♪ありゃぁーナルトだな)


ナルトは
愚息のかけがいのない友人であり
共に戦った友人の忘れ形見。


ナルトは年を重ねるごとに
ミナトの遺伝子を継ぎ
美しく成長している。


まだ17歳だが
その容姿は目を惹くモノがあった。


その容姿からすれば
彼氏がいてもおかしくない・・・


愚息のシカマルは
今だ告白してないのか
その関係は友人止まり


シカクは
さっさと告白しちまえと
シカマルに言うが

ほっとけ!!糞親父、と
酷い言葉であしらわれてしまうのだ。


(あぁ〜ぁ・・お前が告白しねーから。。。)


心の中でそんな事を呟く
シカクの少し先の方で

今まさにナルトは告白されていた。


「うずまきナルト.....
俺と付き合ってくれ!!」


道の往来で恥ずかしげも無く
告白している人物に
シカクは見覚えがあった


(アイツ・・
確か最近上忍になった奴だな〜
昇進した勢いで告白か〜若いなぁ)


俺にもそんな時があったなと
腕を組みながらうんうん頷く


(って、そーじゃねぇ!!
ナルトの奴は何て返事するんだ!?)


シカクは焦っていた
ゆくゆくはシカマルの嫁に
ナルトを考えていたからだ。


将来、娘になる予定のナルトが
こんな所で他の男に告白されてるとなっては
義父は平常心ではいられない。


勝手な未来予想を尻目に
ナルトは今まさに
返事をしていた。


「付き合えばいいってば?
別にいいけど?」


(!!?なっなにぃーーーーー!!)


シカクは大変焦っていた
まさかOKするとは思っていなかったから


友人ではあるが
ナルトはシカマルを
異性として好いてると思っていたのに・・・


まさかこんな所で
他の男に持っていかれるとは
夢にまで思っていなかった。


ナルトの返事に
告白した上忍は顔を赤め喜び
ナルトに抱きつこうとした


=バキッツ!!=


次の瞬間男の身体は
宙を舞い地面にどさりと落ちる。


その姿を冷たい視線で
見下ろすナルト


「っ。。。ナルト何で。。
俺たちもう恋人同士だろ・・?」



「はっ??
俺とアンタは赤の他人だってば!」



「へ?さっき付き合うって言ったじゃないか」


「付き合うとは言ったけど
だからって何で恋人同士になるんだってば!!」


プンプン怒りナルトは
抱きつこうとした男を睨みながら


「何処かに付き合って欲しいっていうから
いいよって言ったのに・・・
抱きつくとかマジ意味わかんねーってばアンタ」


「・・・」


(・・・こりゃぁ酷い)


シカクは男に哀れみの瞳を向け
ナルトの鈍感さに頭痛がはしる。


男はナルトを見上げたまま
固まっていた。


「付き合って欲しいなら
他の人にあたってくれってばよ!!」


そう言うと背を向けて
去っていくナルト。


シカクはいつか告白するであろう
シカマルが心底心配になったのだった。






−−−−−−−−−−−−−−





縁側で横になりながら
巻物を読むシカマルは
後ろから近づく気配に
眉間に皺を寄せる。


「何だ親父...」


「・・・お前苦労するぞ」


何の事だとシカマルは
体を起こしシカクへ目線を向ける


「いや何でもね〜わ」


「・・・フンッ」


読書を邪魔され
機嫌が悪いのか
それ以上は聞こうとしてこない


ガラガラ
バタバタバタ


騒がしい足音が玄関から聞こえ
その足音にシカマルの
眉間の皺が消える


(おっ主役がおでましになったか)


シカクがリビングに現れた
金糸に声をかける


「おぉ〜ナルト!!
ちょっと久しぶりじゃねーか?」
(さっき会ったけどな)


「おぉー!!シカクのおっちゃん♪
あれ?今日任務休みだってば?」


「あー・・・
いやぁこれから1件入ってたな確か...」


そっかと笑い
縁側に座るシカマルへと急ぐ


「シカマルーーー」


ガバチョ


急に名前を呼んだかと思えば
おやじ座りするシカマルの足上に
真正面から抱きつき


恥しがる事もなく
首に腕を絡めていた。


「聞いてくれってばーーー」


何やら不機嫌そうな
声をだしシカマルに甘えている。


(・・・俺が知らないだけで
あいつら付き合ってんのか!?)


その甘い雰囲気にシカクは
実は2人が既に恋人同士で
先程の男を振ったのも
実は彼氏(シカマル)がいるからと
勝手に脳内妄想する。


「どうした?」


聞いた事のない息子の
優しい語りかけに
シカクは驚く


「うん、、何かさっき
上忍の男に抱きつかれそうになったってば・・・」


「・・・そうか」


「マジキモイだろ?」


キモイと男を罵るが
シカクは8割はナルトの
勘違いさせる返事が悪いと思ったし


今まさに抱きついてる男だって
(いや自分の息子だが)
上忍の男なのだ・・・


「でも仕方ねーだろ?
お前可愛過ぎるしな・・・」


「っ///////」


シカマルの言葉に
ナルトは耳朶まで真っ赤にし
俯いてしまう


(ひゅ〜♪言うね〜〜〜〜)


ニマニマ笑うシカク


俯いたナルトの頭ごしに
シカマルはシカクを睨み
顎を動かし消えろと合図する。


(はいはい、邪魔者は消えますか♪)


シカクは瞬身でその姿を消した。


その後
あの2人がどうなったのか
シカクは知らない。






END







【あとがき】


おやじさんは
色々世話焼きたいのを
我慢してる。。みたいな♪


まだ付き合っていない
シカナルのやりとりとか
その周りの応援する動きとか
そんな小説も大好き犬居ですvvv
 

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