【金紅の廻間】

□E【金紅の廻間・変化】
1ページ/4ページ



『狐火様大丈夫ですか?
最近体調がすぐれないように
お見受け致しますが…』

『ーーーーーー』

『そうですか…
でも何かありましたら
この影襾に申して下さい…』



ーーーーーーーーーーーー



いつもの天上が
視界いっぱいに広がる

つい先程までは
知らない部屋で
暗部の衣装と仮面をつけた
影襾(シカマル)と
何やら会話をしてた

影襾の会話は
聞こえるのに
会話の相手である
自分の声は聞こえない

ここ数日
同じような夢を見る
夢なのにとてもリアルで
本当に夢なのか分からなくなる…

でも
見慣れた天上を見るたび
夢なのだと気が付く

ベッドから身体を起こすと
とても気だるかった

重りがついたような身体に
気合いを入れる為
自分の頬を両手で力強く叩いた

パンッ!!

「ッ…よーーーし!!
今日も頑張るってばよ!!」


ーーーーーーーーーーーー


あうん門の前

「あー、、だりぃ…」

「だるくても
任務中は気を引き締めなさいよ!!」

サクラがだるいとぼやく
キバに活を入れている

今日は巻物を
隣国に運ぶ簡単な任務だ

今回の任務に
サイは同行しない
暗部での単独任務に出ているのだ

カカシを隊長に
サクラ・ナルト
サイの替わりにキバの
フォーマンセル

「俺忙しいのによー…
まぁ〜でもたまには息抜きもいいか♪」

キバの視線はナルトに向いている

「息抜きじゃないでしょ〜
キバ君これも大事な任務よ?」

カカシはナルトを見つめる
キバの前にヒョイッと頭を出し
キバの視界からナルトを消す

「そうよ!!」

サクラもカカシと一緒になって
キバにダメ出し

そんな様子を見て
ニシシッ♪と笑うナルト

珍しいメンバーに
たまには楽しいかも♪と
ナルトはご機嫌だ

「じゃ〜行きますかね〜」

何ともやる気の出ない
カカシの掛け声にキバが
ガクッとして一歩出遅れる

木の枝を早速と
駆け抜ける四人

一番後ろにいたキバが
前を走るナルトに話し掛ける

「ナルト!!
お前と一緒の任務嬉しいぜ♪」

「えっ…」

ナルトの身体が
フラッとよろめき
木の枝から落ちた

「ナルト!!」

キバが慌てて
地面で踞るナルトに駆け寄り
ナルトを見たが
着地時体勢を整えたのか
怪我はしていなかった

「おい、急にどうしたんだよ?」

踞ったままのナルトに
声をかけるが反応がない

背中に手を乗せると
微かに震えている

心配なキバが
無理やりナルトの頭を動かす

「…えっ!?なっナルト…」

キバが見たのは
いつものナルトとは
明らかに違うナルトの瞳の色

普段の澄んだ空のような
綺麗な蒼とはまったく違う
真紅の瞳をしていた

゛まさか九尾が!!゛

「どうした!!」

一向に着いてこない部下が
心配になりカカシは
来た道を戻ってきたのだ

「…ナルトが!」

キバの動揺した表情に
カカシは不安を覚える

カカシは
あうんの門で待機していた
ナルトが普段の雰囲気と
違う事に気付いていた

しかし
軽い任務な為大丈夫だろうと
たかをくくってしまったのだ

(あの時に…)

過去を振り返っていても
時間の無断だとカカシは
踞るナルトを抱えた

(!!瞳の色が…
クソッ今日はテンゾウが居ない!!
一旦里に引き返すしかないか…)

カカシはナルトの異常が
九尾に関わると判断した

「この少し先にサクラが居る
俺はナルトを連れ帰るから
キバはサクラにこの事を伝え
里に引き返すように…」

「り、了解!!」

心配そうなキバを尻目に
カカシは震えているナルトを抱え
急いで里に戻った
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ