短編

□日常物語
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バクバクバクバク…

モグモグモグモグ…


 
 日常物語




さっきからずっと食べ続けているルフィ。お前は一体、どけだけ食べたら気が済むんだコノヤロウ。

いや、別にね?ルフィの楽しみである食事を邪魔する気じゃないんだよ?だけどさ、彼女を目の前にただ食べて食べて食べてるのってどうよ。構ってもくれないし。ちょっと…いや、かなりキツイ。


『ルフィ』

「んー?」

『ルッフィー』

「なんだー?」

『……ルンルン』

「これうっめぇな!」


サンジ君!サンジ君がこんなにご飯作るからいけないんだ!そうだ!

この前まではルフィの食べる姿も愛らしくて、私も幸せだったけど、さすがにもうキツイ!

お前の恋人は肉か!


『違う!恋人は私だ!』

「うわっ!ビッくりするじゃねェか」


おっ、目が久々に絡みあった。…が、それも一瞬のこと。

ルフィの視線は私からまた食べ物へと移ってしまった。


ちっ。
こんなで負ける私じゃない!



『ルフィーー』

「んあ?」

『ルフィの好きな食べ物はー?』

「肉!」

一応返事はしてくれるんだ。視線は相変わらず食べ物だけど。


『じゃあケーキ』

「好きだ!」

『それじゃーフランスパン』

「ありゃ硬いなー」

『みかん』

「旨いぞ!」

『マリモ』

「マリモって食えたのか!」

『サラダは?』

「苦いのは苦手だ!」

『じゃあ…、名無しちゃんはー?』

「大好きだ!…ってアレ?」


ルフィの手が止まった。口いっぱいに入っていた食べ物を一気に飲み込み、私に鋭い視線を向けたルフィ。


「名無し!お前、ハメやがったな!」

『彼女を放置してた仕返しでーす』


鋭いかと思いきや、少し赤めいて見えたルフィの頬っぺた。何だ、効いたじゃん。ゴムなのに赤くなってる。ニヤニヤと笑う私。


「なんだ、寂しかったのか?」

するとさっきまで赤かったのに、真顔でそんなこと聞いてくるから私の顔は赤く変わった。寂し…かったのは事実だけと聞いてこられると急に恥ずかしくなる。


「ほら!」

ルフィはニカニカと笑って両手を広げた。…その笑顔反則だ馬鹿。

嬉しくて満面の笑みでルフィに飛び込んだ。

ドスッ、とロマンチックじゃない音を立てて数秒後、ガターン!とすごい音を立てた。


私が飛び込んだことによって、私たちは倒れたんだろう。


「いってー!お前何すんだ!」

『ルフィが飛び込めって言うから!』

「言ってねェ!」

『言ったようなもんでしょ!』


気付けばルフィのドアップ。
近い!これは近い!恥ずかしい!


突然とふにゃり、と唇に感触が。


「ひひっ!満足か?」

『…お肉の味したから嫌』





  日常物語



(我が儘だな名無し!)
(ルフィのせい!絶対!)

(ルフィあんた!キッチンで何襲ってんのよ!)
(名無しちゅわぁーん!!泣)






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