短編

□恋修行
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『サボ!!』

「ん、どうした?そんなに慌てて」

『私に恋を教えて下さい!!』

「ぶっ!!」




恋修行
**
((サボが吹いた…))






「なっ何だって言ううだ…!?」

『だーかーら!恋!教えて!な?』

「な?じゃねぇだろ!」


頭をぐしゃぐしゃとかきむしるサボ。
「意味わかんねぇ…!」と混乱してるようだ。

…や、混乱したいのは私だ。



『恋って何だよう!!』

「…は?」

『恋って何?ねぇサボ!』


サボの肩を持ちグングンと振る。

サボは意味分かんない叫び声を上げて、私の手を振りほどいた。



「…や!何でおれに聞くんだよ?」

『えっ、サボ(以外と)頭良いんじゃ!?』

「…はぁ、そう言う問題じゃねぇよ。後かっこの中まで聞こえたぞ」



ちょい待て。
…頭が良いとか悪いとか関係ない。って事が言いたいんだろうか、サボは。


私のバックの背景が酷く真っ青になると同時に、私の顔も真っ青になるのが分かる。



『チッ…。使えない』

「んだとコラ。て言うか、なんで急に…」

『…好奇心?』

「は?」


『だって友達みんなが恋がどーとか恋がなんやらとか、ばっか言うんだもん。

だから恋って何?
って親友のナミに聞いたら、サボ君に聞けば〜?と言われたって訳』


「…………」


『ナミってほら!頭いいよね!
…ん?なんでじゃあ教えてくれなかったんだろ?』


「あ…」

『あ?』

「あんのナミの野郎〜…っ!!」


『!!?』



な、なんかサボが怒った!
サボが怒るのはかなり珍しいしレアだ。だけど今の話しの中でどこにそんなに怒る要素があったんだろう。

とりあえずサボを落ち着かせた。




『でも何だー。サボも分かんないか』


はぁーっ!と深いため息をついた。
いや、別に対して知りたかったわけじゃないけど。



「…おれは知ってるよ」

『え?』


サボの表情が真剣なのが分かり、何故か私も緊張した。



「おれは恋、知ってる」


思わぬサボの言葉に驚いた。



『じゃあ恋、教えてくれるの!?』

なんかワクワクした。恋の意味を全く知らない私だから、サボの言葉に食いついたんだろう。



『恋ってどんな……』


どんな、の続きは言えなかった。
と言うか言わせてもらえなかった。


目を開き今の状態を確認すると、
目の前にはサボのドアップで、何やら口には柔らかい感触が。



「ど?分かった?」

『〜〜っ!!』


少しして解放してもらった時に、何が起こったのか理解した。



『サッ…!こっれ…!キッ、キュゥ…キュ…!!』

「キス?」

『ああぁっ…!言うな!言うな…!』

「今言おうとしてたじゃん」



な、なんだこの心臓がはち切れそうな鼓動は…!ドキドキ、と言うのが耳で聞こえるみたいだ。


『なんか…、心臓が痛い』


ドキドキする胸に手を当ててサボに聞いてみた。


するとサボはニカッ、と笑って




「それが"恋"じゃない?」








恋修行



(ナミ!)
(あら名無し。恋の意味、知れた?)
(うん!好きになることだよね!)
(ほ〜…(さては上手くいったな))
 

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