短編
□恋修行
1ページ/1ページ
『サボ!!』
「ん、どうした?そんなに慌てて」
『私に恋を教えて下さい!!』
「ぶっ!!」
恋修行**
((サボが吹いた…))
「なっ何だって言ううだ…!?」
『だーかーら!恋!教えて!な?』
「な?じゃねぇだろ!」
頭をぐしゃぐしゃとかきむしるサボ。
「意味わかんねぇ…!」と混乱してるようだ。
…や、混乱したいのは私だ。
『恋って何だよう!!』
「…は?」
『恋って何?ねぇサボ!』
サボの肩を持ちグングンと振る。
サボは意味分かんない叫び声を上げて、私の手を振りほどいた。
「…や!何でおれに聞くんだよ?」
『えっ、サボ(以外と)頭良いんじゃ!?』
「…はぁ、そう言う問題じゃねぇよ。後かっこの中まで聞こえたぞ」
ちょい待て。
…頭が良いとか悪いとか関係ない。って事が言いたいんだろうか、サボは。
私のバックの背景が酷く真っ青になると同時に、私の顔も真っ青になるのが分かる。
『チッ…。使えない』
「んだとコラ。て言うか、なんで急に…」
『…好奇心?』
「は?」
『だって友達みんなが恋がどーとか恋がなんやらとか、ばっか言うんだもん。
だから恋って何?
って親友のナミに聞いたら、サボ君に聞けば〜?と言われたって訳』
「…………」
『ナミってほら!頭いいよね!
…ん?なんでじゃあ教えてくれなかったんだろ?』
「あ…」
『あ?』
「あんのナミの野郎〜…っ!!」
『!!?』
な、なんかサボが怒った!
サボが怒るのはかなり珍しいしレアだ。だけど今の話しの中でどこにそんなに怒る要素があったんだろう。
とりあえずサボを落ち着かせた。
『でも何だー。サボも分かんないか』
はぁーっ!と深いため息をついた。
いや、別に対して知りたかったわけじゃないけど。
「…おれは知ってるよ」
『え?』
サボの表情が真剣なのが分かり、何故か私も緊張した。
「おれは恋、知ってる」
思わぬサボの言葉に驚いた。
『じゃあ恋、教えてくれるの!?』
なんかワクワクした。恋の意味を全く知らない私だから、サボの言葉に食いついたんだろう。
『恋ってどんな……』
どんな、の続きは言えなかった。
と言うか言わせてもらえなかった。
目を開き今の状態を確認すると、
目の前にはサボのドアップで、何やら口には柔らかい感触が。
「ど?分かった?」
『〜〜っ!!』
少しして解放してもらった時に、何が起こったのか理解した。
『サッ…!こっれ…!キッ、キュゥ…キュ…!!』
「キス?」
『ああぁっ…!言うな!言うな…!』
「今言おうとしてたじゃん」
な、なんだこの心臓がはち切れそうな鼓動は…!ドキドキ、と言うのが耳で聞こえるみたいだ。
『なんか…、心臓が痛い』
ドキドキする胸に手を当ててサボに聞いてみた。
するとサボはニカッ、と笑って
「それが"恋"じゃない?」
恋修行
(ナミ!)
(あら名無し。恋の意味、知れた?)
(うん!好きになることだよね!)
(ほ〜…(さては上手くいったな))