空白昼夢
□story 07
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story 07
(( 四人の盃 ))
「ゴムゴムの〜〜っ…ピストル!!」
「だからお前は…何がしたいんだよ!」
森で鍛える毎日。
「ゴムゴムの〜〜っ…盾!」
「またゴムかよ…」
エース対ルフィ。サボ対ルフィで、ルフィはボロボロ、完敗だ。
その後はエースとサボが戦い、いつもながらもいい勝負をする。ルフィもそれを羨ましく思っていた。
『よっし!次オレのばーん!』
「お、ユメか。容赦はしねぇぞ!」
相手はサボで、オレは恥ずかしながらも一度もエースにもサボにも勝った事がなかった。今日こそは勝つ!と言う心意気で戦いに挑んだ。
サボに目掛けて拳を振る。
「うっ…!」
『!!』
…え、今。―当たった?
ぱぁっ!と花が咲き、幸せになったのは夢のようで、次の瞬間オレはサボのパンチにより地面に叩きつけられた。
『ったたぁ!!』
目をあけると得点板にはサボの方に一点が入った。ああ、また負けた。
「ユメ、お前強くなったなぁ」
『!!』
負けた事を悔やんでると目の前にサボが笑顔で立っていた。サボは、少し赤い頬っぺたをさすってニカニカと笑ってた。
「今のは結構効いたぞ」
ぱぁあ!とオレの周りに花が咲いた。
今まで当たる事もなかった拳が当たった。それだけなのに、すごい嬉しかった。
跳び跳ねて喜ぶオレに底意地悪いエースが口を開いた。
「ふんっ。たまたまだ」
『何とでも言いたまえエース。今のオレは心が広いのよ、オホホ』
「なっ…誰だコイツ…気持ちわりぃ…」
『アハハハ〜』
今は何を言われようが何をされようが笑って見過ごせる。幸せ満載だからだ。
ちょっとでも強くなった…ちょっとでもエースとサボに近づけた。まだまだ二人よりは弱いけど、もっと強くなって二人に追い付きたい。
『ニヒッ!』
頬っぺたを赤めて、オレは笑った。
「くそー!おれも強くなりてぇ!サボ、次はおれと勝負しろ!」
そう声をあげたのはルフィ。ルフィも少しでも早く強くなりたくて仕方がないんだろう。その気持ちは痛いほどよく分かる。
しかし1日勝負は50戦ずつ。ルフィはもう50戦戦っていた。だから今日はもう終わりで、また明日にお預けだ。
「お前ら!おれが10歳になったらぶったおしてやるからな!」
「その時おれとサボは13だ。精精ユメに勝てるようにならねぇとな。同い年の女に負けてるんだぞ」
「えぇえっ!?ユメって同い年で女だったのか!?」
ルフィが突拍子もないマヌケな声をあげた。かなり手間取ってるようだ。(そういやエースとサボの反応もこうだった)
『おう!7歳のレディーだ!』
「レディー…、ではないな」
「ああ。男だ」
サボとエースがあまりに真面目な顔で(堂々と)言う。
確かに女として意識した事はないから、二人の言う通り、本当に男なのかも知れない。自分の事オレって言ってるし…。
エースなんかオレが男って言いきるし。
ルフィはオレを見て信じ難い顔をしていた。そんなに男に見えるかな?と思いつつ、ルフィの真剣な顔が面白くてオレは小さく笑った。
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