空白昼夢

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とにかく急がなきゃ…。ルフィが、ルフィが危ない…!


ルフィがどこにいるのか探した。かすかに聞こえてくる声。
オレは慎重に近づいた。



ドカッ!


その痛々しいほどに伝わってくるルフィの痛み。ルフィの涙。地面に落ちる血の音。

『…っ!』

ルフィはもう、話す気力さえなくなっていた。



『やめろ!!!』

「!お前は…ユメか。ひひ、お前もそこらじゃ有名な悪がきらしいな」


不気味に笑うポルシェーミの手にはグローブがつけていて、そこにはルフィの血がぎっとりついていた。

ポルシェーミの前に立ち、おもいっきりぶん殴る。奴の飛ばされた音が響く。


「ってぇな…。やるじゃねぇか、チビ」

『るせぇ!ルフィを放せ!』

「それじゃあお前が言ってくれるのか?宝の在処」

『言うわけねぇだろ』


再びポルシェーミに殴りかかる。が、いつの間にか後ろにいた奴によって止められる。

そいつらを蹴り飛ばし殴ったけど、多人数とオレ1人じゃ追い付かない。

一発、鳩尾を殴られてオレは縄で縛られた。



『ぐっ…!』


ケラケラと気持ち悪く笑うブルージャムの一味たち。

隣でルフィは泣いていた。




「…ぅっ…、ユメ…」

『っごめん…ルフィ…!絶対…助けるから…!』

「ひひっ!さっさと吐けばいいものを」



ドカッ!

ベチャ。


色んな音が響く。

決してどれもいい音じゃなくて、どれもオレが嫌いな音ばかりだ。




ごめん、ルフィ…。

エース、サボ…助けてよ。
二人なら、絶対助けに来てくれるはず。


ドカッ。


だから、体に走る痛みも我慢出来たんだ。






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