空白昼夢

□story 05
2ページ/3ページ



下から聞こえてきた声。

…あれ、聞いたことある声………?



「お前ら海賊になんのかー?
おれも同じだよ〜〜〜っ!!」


「「――っ!!」」

『わお…』




そうだ。…ルフィだ。
ニカニカと笑うルフィ。

ってマズイ!!
ルフィの奴…何でこんなとこまで…。エースにバレたら殺られ…!



二人は顔を見合わせ下に降りてった。


「「静かにしろ!!」」


そして勢いよくルフィをぶん殴った。


倒れこんだルフィを木に縄で縛りつける二人。それでも笑ってるルフィは、何をされてるのか分かってんのだろうか…?


とりあえずオレは木の上にいよう。

ルフィはオレのこと気づいてないみたいだし。




「こいつかよ…。お前が言ってたルフィって奴…」

「え!?おれの話ししてくれたのか!?」

「しつこい奴って文句言ってたんだ」

「後、何も考えてなさそうな奴ってな」

「ひひっ!そっか!」



……ぷっ。
貶されてるの分かってないだろうな、ルフィの奴。どこまで単純なんだろ。

呆れたような顔をしてる二人。


木の上からの見物も悪くない。




「とうとうここまで着いてきやがった…」

「…どうする?」

「秘密を知られた。放っておいたら人に喋るぞ、コイツ…」




一瞬にして二人の雰囲気が変わった。
…お、どうしたのかな…。




「―――…殺そう」

「よし、そうしよう」


「アハハ、えぇっ!?」


『えぇっ!!』

ちょ…殺すって!
エースの思わぬ発言にオレまで驚いた。


さすがに笑ってたルフィも驚いたみたいで喚き出した。ああ、うるさい…。

これじゃゴミ山から誰かが来るかも知れない。…同じことを考えてたらしい二人は焦り出した。



「おいっサボ!早く殺れよ!!」

「お前が殺れよ!」

「おれは人を殺したことねぇよ!」

「おれだってねぇよ!やり方分かんねぇよ!!」

「「おい、ユメ!!」」

『ふあいっ!?』

「「お前がやれ!!」」

『何でだよ!ヤだよ!!』



とりあえず下に降りることに…。
大体、オレはルフィを殺したくねぇし…。

まだ喚き散らしてるルフィ。



「ゔわあああ!殺さないでぐれええ!」

『こっ殺さねぇから…!静かに…』

「嫌だあああっ!!」



…聞いちゃいねぇ。

どうしたもんかと考えてると、




「水に落とすのはやめてぐれええ!!」


「よし、川だ!」

「こいつ、何で自分から言ったんだ…?」

『ホントに』

「馬鹿なんだよ!」



ルフィが馬鹿なのは認める。うん認めるけど、さすがになんか…




「おい!森の中から声がするぞ!」



グレイ・ターミナルの方から声が聞こえてきた。やば…見つかっちまった。

海賊貯金のこともあるし、とりあえずルフィの縄をほどいた。そして茂みに隠れた。






_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ