空白昼夢
□story 05
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下から聞こえてきた声。
…あれ、聞いたことある声………?
「お前ら海賊になんのかー?
おれも同じだよ〜〜〜っ!!」
「「――っ!!」」
『わお…』
そうだ。…ルフィだ。
ニカニカと笑うルフィ。
ってマズイ!!
ルフィの奴…何でこんなとこまで…。エースにバレたら殺られ…!
二人は顔を見合わせ下に降りてった。
「「静かにしろ!!」」
そして勢いよくルフィをぶん殴った。
倒れこんだルフィを木に縄で縛りつける二人。それでも笑ってるルフィは、何をされてるのか分かってんのだろうか…?
とりあえずオレは木の上にいよう。
ルフィはオレのこと気づいてないみたいだし。
「こいつかよ…。お前が言ってたルフィって奴…」
「え!?おれの話ししてくれたのか!?」
「しつこい奴って文句言ってたんだ」
「後、何も考えてなさそうな奴ってな」
「ひひっ!そっか!」
……ぷっ。
貶されてるの分かってないだろうな、ルフィの奴。どこまで単純なんだろ。
呆れたような顔をしてる二人。
木の上からの見物も悪くない。
「とうとうここまで着いてきやがった…」
「…どうする?」
「秘密を知られた。放っておいたら人に喋るぞ、コイツ…」
一瞬にして二人の雰囲気が変わった。
…お、どうしたのかな…。
「―――…殺そう」
「よし、そうしよう」
「アハハ、えぇっ!?」
『えぇっ!!』
ちょ…殺すって!
エースの思わぬ発言にオレまで驚いた。
さすがに笑ってたルフィも驚いたみたいで喚き出した。ああ、うるさい…。
これじゃゴミ山から誰かが来るかも知れない。…同じことを考えてたらしい二人は焦り出した。
「おいっサボ!早く殺れよ!!」
「お前が殺れよ!」
「おれは人を殺したことねぇよ!」
「おれだってねぇよ!やり方分かんねぇよ!!」
「「おい、ユメ!!」」
『ふあいっ!?』
「「お前がやれ!!」」
『何でだよ!ヤだよ!!』
とりあえず下に降りることに…。
大体、オレはルフィを殺したくねぇし…。
まだ喚き散らしてるルフィ。
「ゔわあああ!殺さないでぐれええ!」
『こっ殺さねぇから…!静かに…』
「嫌だあああっ!!」
…聞いちゃいねぇ。
どうしたもんかと考えてると、
「水に落とすのはやめてぐれええ!!」
「よし、川だ!」
「こいつ、何で自分から言ったんだ…?」
『ホントに』
「馬鹿なんだよ!」
ルフィが馬鹿なのは認める。うん認めるけど、さすがになんか…
「おい!森の中から声がするぞ!」
グレイ・ターミナルの方から声が聞こえてきた。やば…見つかっちまった。
海賊貯金のこともあるし、とりあえずルフィの縄をほどいた。そして茂みに隠れた。
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