空白昼夢
□story 05
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世の中には予想も出来ないことが起こるんだと――
絶対にそうなる。…一見そう見せかけて、実は予想なんて当てにならない。
story 05
(( 空理 ))
「おい、サボ!ユメ!いるか?」
「おっせーよエース!おれはもう町で一仕事してきたぞ」
『おらエース!今日は負けねぇぞ!』
あれから、ルフィの話しは全然しないで(エースの文句はたまに聞くけど)、オレもエースに言える訳でもなく数日が過ぎた。
ルフィとも会わないし、とりあえず安心だった。
そしてまた海賊貯金を集めてる。
『「「せーのっ!!」」』
一斉に袋を広げた。
中にはお宝がギッシリ。
今日こそエースに勝つと言う願いを込めて広げた。…が、
『!!』
「ハハハ!やっぱユメはユメだなー!」
『うっせ!エース!』
「エースに勝つどころかおれにも負けてるぞ?」
『くっ…!言うな!』
幸運の女神はオレが嫌いなんだろう。エースには敵う訳もなく、サボにも負けた。
「今日は調子悪かったのか?」なんて優しく聞いてくるサボに頷いた。
いつもはもっと盗れるのに。ああ悔しい。
「にしてもエース、どこでこんな大金盗ってきたんだ?」
「大門でチンピラから奪ってやった」
『またチンピラかよ。いーなー、オレも大金奪いてー』
「ハハッ!ユメも大金じゃねぇか」
ってサボは笑ってくれるけど、実際のところ二人には敵わない。
『見てろよ!いつか勝ってやる!』
投げやりで言った言葉。楽しみにしてる、とサボ。エースはまた鼻で笑った。
「誰が勝つなんて関係ねぇよ。いつか…三人で使うんだ」
「…ああ!」
『ひひっ、おう!』
エースの言葉が暖かかった。
いつか…三人で…か!いい響きだ。
「このイーストブルーの奴らの知らない世界へ――…考えただけでもワクワクするなぁ?」
「あぁ」
『………にっ!』
いつか海賊になって、知らない世界へ…
オレも考えただけでワクワクして仕方なかった。…ずっと三人でいれたら!
オレはそれでいいや!
「…海賊船なんていくらで買えるんだろうなぁ?」
「何千万か何億か…。まだまださ」
『おっきいの買おうな!強そうなの!』
「海賊船〜〜〜!!?」
『「「っ!!?」」』
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