空白昼夢

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『甘いし何にでも合う!オマケにトロトロしてんだ!それがメイプルシロップだ!』

「へーへー」



「……何やってんだ」


『「エース!」』



あれからみっちり、サボにメイプルシロップの素晴らしさを教えてやってた。

せっかくいい所だったのに、エースがいきなり顔を出した。(いい所もなにも同じことしか言ってなかったけどな byサボ)


そう言えば、オレとサボはエースを待ってたんだった。



「何してたんだよエース。遅かったじゃねぇか」

『何かあったのか?』


聞くとたちまち不機嫌な顔になるエース。いや、来た時から不機嫌そうだったけど。

鬱陶しそうに口を開く。



「…ジジィが変な奴連れてきた」


『ジジィってガープ?』

「あぁ」


エースの話しにしか聞いたことないけど、ガープって奴はかなり強いらしい。(エースも敵わないとか…)

山賊のダダンってクソババァの家にエースは食べて寝てる。オレも一回行ったことがある。


そこにガープが新しい奴を連れてきたんだろう。




「へぇ。どんな奴なんだ?」


サボが聞くと心からむかついてます、って顔をしてエースは話し始めた。



「ルフィ…って言ったっけ…。
明らかに頭が悪いんだ…。オマケに毎日毎日おれに着いてきて…!」


ああ、明らかに殺意が芽生えてる。



「着いてくるって…、エースお前ここがバレたりしないよな?」

「ああ、人が通れる道は通ってねぇし、いつも撒いてくる。今日も崖から落としてきた」

『うっわ、ひっど!死ぬんじゃ…』



崖から落とすって、オレら三人ならまだしも(怪我はするが)、普通の子なら死ぬだろう。



「いや大丈夫だ。怪我してもすぐ帰れる距離だろうし、あいつゴム人間なんだ」

『…はぁ?ゴム!?』

「悪魔の実の能力者か?」

「ああ多分」


なんか冷静な二人だけど、ゴム人間と聞いちゃ驚きがおさまらない。

なんか面白そうな子かな。
いや、ただのしつこい子かも。


どっちにしろ会うことはないだろう。エースが撒いてくるし、ダダンの家からここまでは危険すぎる。




ゴム人間の話しは終わって、今日も海賊貯金のお宝を盗りに行った。


適当にグレイ・ターミナルの辺りを探索してた。




『うっしゃ。今日こそはエースに勝…』


「おーーーい!!!」


『…………』



向こうから大きく手を振る男の子。
あんな小さな子がこんな所に1人で…。(オレもそうかも知れないけど)


てゆか誰に手を振ってんだ。

辺りを見渡してもオレ以外の人影はなく、多分オレに振ってるんのかな…。

その場の流れで手を振り返した。



すると男の子はオレの方に笑顔で近づいてきた。

なんとなく嫌な予感がしてその場を逃げようとしたが、遅かったみたいで。


「お前、こんなとこで何してんだ?」

『…や、しれはこっちの台詞だ!』

「おれか?おれはエースを探してんだ!」


エース…?


「お前、エース知らないか?」

『………』



エース。この辺りじゃエースは多分1人しかいなくて、エースの話しによると多分この子はゴム人間だろう。


「あっ!おい、待てよ!!」


まずいまずい…。つけられる。

別にこの子が嫌いとかじゃないけど、エースにこの場を見られたら確実にボコボコだ。


とにかく逃げよう。うん、それがいい。
とにかくもうダッシュだ。


が、思いっきり走ったがなかなかしぶとくて森に入るにも危険すぎる。

どうしようかと頭をフル回転させた。


てゆかここまで1人で来たんだよな…。
あんな危険な森をたった1人で…。


なら大丈夫だろう、と森に入ることにした。そして上手くダダンの家に送りつけよう


うし。我ながらいい考えだ。





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