空白昼夢
□story 04
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自由って何だろう。
空や海は自由なのかな――
偽りじゃなくて、もっと違う何かの――
story 04
(( 新たな始まり ))
『エース、サボ!海賊貯金!見てくれよ、オレの力!』
手に持っていた袋を広げる。
中にはお金や宝がいっぱい詰まってた。
海賊貯金は、エースとサボとオレが集めてる、言えばいつか海賊になる為に貯えてる貯金だ。
オレは途中からだけど、二人はオレよりもずっと前から集めてる。二人が長年集めてきただけあって、金額は結構なものだろう。
「うぉお!すっげぇ!どこでそんな大金手に入れたんだ?」
『へへん。ちょっとそこで!』
海賊貯金の隠し場である木の上でサボが目を丸くして聞いてきた。
なんかそれが嬉しくてオレは自慢気にピースサインを向けながら言った。
…が、それも一瞬の出来事で
「ふん!所詮ユメはユメだな」
『うおっとエース!負け惜しみなら後でじっ――』
「エースお前!…こんな大金どこで…」
「カツアゲしてたチンピラからだ」
『……………』
………一瞬の夢だった。
チラリとエースの盗ってきたお宝を見てみるとオレよりもはるかに大金で…。
硬直するオレにエースは鼻で笑った。
笑いやがった。
『おまっ…エース!お前はいっつもお前に勝ちやがって!何でも出来やがって!チクショー!』
「おれに勝とうなんざ100万年早ぇよ!!」
「まーまー二人とも。後ユメ、お前それ褒めてるから」
『褒めてねぇ!!』
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