オレンジ!

□05話
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「ガゼルー、こっちも酒!」

『へーい、…サッチ様』

「ガゼル、部屋掃除しててくれ」

『かしこまりましたー』

「ガゼルー!あとギャグ言え!」

「ガゼル」

「ガゼル!」

『…………』




  story05


   妬心






嫌だ!もう限界!!もう無理だ!

バナナパインにフランスパンめ…。もうこの二人嫌!


『はあー…疲れたー…!』


私は逃げてきた物影にぐったり。

罰ゲームのせいで、今日1日マルコとサッチの命令を何でも聞かなきゃならない。
髪型バナナよりはマシだ。なんて思ってた自分を殴りたい。…いや殴った。こんなのバナナにした方が良かった!

だってあの二人、私に何か恨みがあるのか、ずっと扱き使ってくる。


サッチ様と呼べ、とか洗濯物いれろだとか畳めとか、屁こけ!とかバナナ柄のパンツはけ!とか…。

とにかくヒドイ。まだもってる私がすごい、勇者だ。



「ガゼル?」

『どゅぎゃやああぁあっあ!!!!』

「…何よ」


あ、よく見るとナーシャだ。

ナーシャは白ひげ海賊団のナース。美人で優しくて(怒るとかなり怖い)私の姉さん的存在だ。美人なうえにナイスバディだから、ナーシャに惚れているクルーも多い。


「何してんのよ、こんな所で。マルコ隊長とサッチ隊長が探してたし、後エース隊長が…」

『うっ…うっ…、ナーシャァ…!ぐずっ』

「ちょっ、!はぁ…!?」


いきなり泣き出したからか、ナーシャはかなり困っていた。よく分かんないけどと、私の頭を優しく撫でてくれた。


『もう嫌だぁあ!!!だずげでー!ごろ゙ざれる゙ぅーっ!!!!!』

「ころっ…!?誰に!」



私はナーシャに全ての事を話した。




『ね!バナナ柄のパンツは酷いでしょ!?あり得ん!』

さっきまで泣いていた形跡は無く、すっかり怒りをナーシャにぶつけているガゼル。それを聞いて混乱するナーシャ。


「えっとー…。つまり、今日1日何でも言う通りにするって言う罰ゲーム…で、アンタはそんな羽目になってるの?」

『イエス!』

「自業自得!バカガゼル!」

『えー!助けてよ!!』

「知らん!」


呆れた目付きで私を見るナーシャ。何さ!助けてくれたっていいじゃんよ!
「確かにバナナ柄のパンツは酷いけど」なんて呑気に笑うナーシャ。…絶対他人事だ。


世の中私に酷い。





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