オレンジ!
□05話
1ページ/4ページ
「ガゼルー、こっちも酒!」
『へーい、…サッチ様』
「ガゼル、部屋掃除しててくれ」
『かしこまりましたー』
「ガゼルー!あとギャグ言え!」
「ガゼル」
「ガゼル!」
『…………』
story05
妬心
嫌だ!もう限界!!もう無理だ!
バナナパインにフランスパンめ…。もうこの二人嫌!
『はあー…疲れたー…!』
私は逃げてきた物影にぐったり。
罰ゲームのせいで、今日1日マルコとサッチの命令を何でも聞かなきゃならない。
髪型バナナよりはマシだ。なんて思ってた自分を殴りたい。…いや殴った。こんなのバナナにした方が良かった!
だってあの二人、私に何か恨みがあるのか、ずっと扱き使ってくる。
サッチ様と呼べ、とか洗濯物いれろだとか畳めとか、屁こけ!とかバナナ柄のパンツはけ!とか…。
とにかくヒドイ。まだもってる私がすごい、勇者だ。
「ガゼル?」
『どゅぎゃやああぁあっあ!!!!』
「…何よ」
あ、よく見るとナーシャだ。
ナーシャは白ひげ海賊団のナース。美人で優しくて(怒るとかなり怖い)私の姉さん的存在だ。美人なうえにナイスバディだから、ナーシャに惚れているクルーも多い。
「何してんのよ、こんな所で。マルコ隊長とサッチ隊長が探してたし、後エース隊長が…」
『うっ…うっ…、ナーシャァ…!ぐずっ』
「ちょっ、!はぁ…!?」
いきなり泣き出したからか、ナーシャはかなり困っていた。よく分かんないけどと、私の頭を優しく撫でてくれた。
『もう嫌だぁあ!!!だずげでー!ごろ゙ざれる゙ぅーっ!!!!!』
「ころっ…!?誰に!」
私はナーシャに全ての事を話した。
『ね!バナナ柄のパンツは酷いでしょ!?あり得ん!』
さっきまで泣いていた形跡は無く、すっかり怒りをナーシャにぶつけているガゼル。それを聞いて混乱するナーシャ。
「えっとー…。つまり、今日1日何でも言う通りにするって言う罰ゲーム…で、アンタはそんな羽目になってるの?」
『イエス!』
「自業自得!バカガゼル!」
『えー!助けてよ!!』
「知らん!」
呆れた目付きで私を見るナーシャ。何さ!助けてくれたっていいじゃんよ!
「確かにバナナ柄のパンツは酷いけど」なんて呑気に笑うナーシャ。…絶対他人事だ。
世の中私に酷い。
_