オレンジ!
□04話
1ページ/3ページ
オレンジ!
story04 -遊戯-
「珍しいじゃねぇか。お前が光り物なんか」
私の首もとを見て興味を示すのは私のお父さん、白ひげ。この船の人達は、船長である白ひげを実の父に思い、白ひげも私達を実の子のように親っている。皆はオヤジって呼ぶけど、唯一"お父さん"と呼ぶのは私だけだろう。
この間エースから貰ったネックレスは結構気に入ってて毎日身に着けている。
『ひひっ。エースに貰ったんだ!似合うでしょ』
「グラララ。やっとお前も女らしくなってきたか」
そう笑うお父さん。私はブッと頬を膨らませた。お父さんだけじゃない。私がネックレスを1つ着けたからって、クルーの皆は信じれないかのような目で見るし、中には大声を上げて驚く人もいた。
皆が私をどう思ってるのかがよく分かった。女として見てないんだ、オッサンだと思って見てるんだろう。そうなんだ絶対。
「それで…、大丈夫か?」
笑いを止めて真剣な目で聞いてくるお父さん。
『…大丈夫。二日酔いだけ』
私はお父さんに元気いっぱいに笑ってみせた。…上手く笑えてるんだろうか。心配は誰にもかけたくない、絶対に。
お父さんの部屋を出て、私は自分の部屋へと戻った。
頭がグラグラして気持ち悪い。今にも吐き出しそうだ。完璧に二日酔い。
吐いたあの後、どうやって部屋に帰ってきたのか覚えてないけど、きっとエースが運んでくれたんだろう。
そんなに飲んでないのに、嫌になる!
とりあえず酒の匂いを落とすためシャワーを浴びて、マルコのもとへ向かった。
「来たかよい」
『ういー』
「…ずいぶん貧相な顔だなぁ」
『二日酔い。気持ち悪い吐く寝る』
「まったくどうしようもない奴だねい。今日は休んでいいよい」
『あざーす。マルコ好きだよぃ』
「うるせぇ!」
マルコにギューってしたら怒られた。
にしても、気持ち悪くてまた吐いてしまいそう。
『うへー気持ち悪い』
私はダルい体をベッドに投げすてた。フワフワのベッドにお日さまの香り。
あー今日はいい夢見れそう。
お休みなさい
_