オレンジ!
□02話
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「そん時のガゼルのパンツがよ、クマなんだよ!しかもさくらんぼ柄だぜぇ!」
!!!
「ぶはっ!小学校かよい!!」
「色気ねェだろ?」
サッチの思わぬ発言により、マルコとサッチの笑い声が響きわたる。
て言うか、え?待て、待て待て待て。
何故サッチが私のパンツの柄を知ってるんだろう。
「くっ…くく…!」
隣にいるエースも笑いを堪えてる。
「くくっ…!…お、お前…さくらんぼ柄にクマって…!」
ピシリ。
『違う!もう怒った!サッチの頭刈り上げてやる!』
「おい、待て!罠だ罠!わざと怒らすような事言って出てこさそうとしてんだよ!……っぷ!」
『笑うな!あれ絶対罠じゃない!どう考えてもサッチの面白エピソードじゃん!』
サッチのもとへ向かおうとしてる私をエースが笑いながら、笑いながらとめる。
もう限界だ。サッチの奴!
あれは罠なんかじゃない。サッチとマルコのただの会話だ。
「おい待てよ!今バレたら…」
『うるっさい!サッチの息の根とめてやる!』
「まだ飯食ってねぇだろ!」
『知らん!!』
必死にサッチのとこに行こうとした。
ただエースの力は強くて、私はあっさり止められる訳で。
くっそう。どうにかしてサッチに思い知らせてやりたい…!私はとっさに近くにあったフォークを手にとった。
『くらえ!ムッツリサッチ!!』
何本かのフォークをサッチに向けて投げまくった。まだサッチとマルコは近くにいたから投げたら届く(刺さる)距離だ。
「うわっ!?」
しかしムッツリサッチは運よく避けやがった。
「誰だぁこんなことすんのは!」
「…て、ガゼルじゃねぇかよい!」
勿論、フォークが飛んできた方には私がいる。てな訳でマルコとサッチの目には私が映った。
『ちっ…バレたか』
「バカ当たり前だ!!」
舌打ちをする私を全力でツッコむエース。するとエースもマルコとサッチに見つかってしまった。
盗み食いも出来ず、ムッツリサッチの息の根も止めることも出来ず…
私とエースの盗み食いは、今晩も無念に終わったのであった。
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