オレンジ!

□02話
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  オレンジ!

     story01:日課





暗闇の中、私とバカエースは息を潜め、静かに行動を共にしていた。


誰にも気付かれないようにコソコソとキッチンへと行動する。

私とエースはお腹が空いて今にも死にそうだ。前回、エースは空腹で死んだけど、あんな風にはなりたくない。絶対なりたくないかっこ悪い。

夜中になると必ずお腹が減る私とエースは、毎日夜中になると待ち合わせて、いわゆる盗み食いをしにいく。



「いいか…?絶対ヘマすんじゃねぇぞ」

『エースこそ鼻から火出さないでよ』

「出すかアホ」

『またアホって言った!1日に何回アホって行ったら気が済むの!?』

「10回は言いてェ」


カッ、としてエースを殴りそうになったけどある音によっておさめられた。…誰かの足音だ。


やばい!と思い二人で息を殺し、キッチンの机の下に隠れた。



「今日はエースとガゼル、いねェかー?」

「まだ分かんねぇよい。絶対いると思うけど」

「全くだな!昨日も一昨日もずっといたんだ。いない訳がねぇよ」


その声の持ち主はまたしてもマルコとサッチ。昨日も一昨日もずっと見回りにくる嫌な奴だ。エースと私の宿敵だ。


毎晩盗み食いをしにエースとキッチンに来るが、毎回毎回マルコとサッチに捕まる。そしてお説教だ。

今回は簡単に捕まらねぇぞ!見てろバナナフランスパン共め!



「あーあのバカップルにも困ったもんだなー!エースもガゼルもバカだなー」


サッチが大きな声で私を侮辱し始めた。
聞いていれば「バカ・アホ面・色気なし・おっさん女・バカ・バカ…」



『くっそう…!フランスパンめ…』

「ばっ…!やめろ!今出たらフランスパンのの思うつぼだぞ!」


腕をまくり机から出ようとする私を必死に止めるエース。


『聞いてりゃエースと同じ事ばっか言って!何さ!色気ぐらいある!』

「そこはサッチが正しい!正しいけど盗み食いがバレたら殺されるぞ!」


悔しくもエースに宥められて落ち着く私。くっそう、サッチめ。覚えとけ!バカ!

そうしてる間にマルコもサッチも少し離れていった。よし、チャンス。と隠れ場を移動する。



「でさー、ガゼルの奴がよー」

移動する時に聞こえてきたサッチの声。私の名前が出てるからか気になって耳をすました。





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