オレンジ!
□01話
3ページ/3ページ
「おっバカップルが来たぞ」
食堂に着くとクルーの皆が食べ物(肉)を取り合って暴れてた。その中から声をあげたのはフランスパンことサッチだ。
『え、どこどこ?』
「バカっプル?珍しいな」
「や、お前らだよ」
『「はぁ?」』
サッチは苦笑いしながら指をさしてた。その指が向けられてるのは私達。つまりエースと私がバカップルと言いたいんだろうか、サッチは。
『「誰がこんな奴と!」』
「ははは!息ぴったりじゃねぇか!」
サッチやクルーの皆に笑われて隣にいるエースと目を合わせる。私もエースもどう答えていいかわからないらしい。
確かにサッチの言う通り、多少、ほんとに多少だけ息が合ってるのかも知れない。オマケに好きな物も食べ物も似てるし(主に肉)、ハモることもしょっちゅうある事で。
だけど、何が悲しくてエースみたいな奴とバカップルになんてならなくちゃいけないんだ。可笑しい可笑しい、面白いから。
エースは頬っぺたをポリポリとかいて、私に笑いかけた。
「とりあえず肉だ肉!」
『ひひっ、おうとも!』
まるで戦場のような人集りの中に、私達は肉を求めて飛び込んだ。
_