オレンジ!
□01話
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「まったく何やってんだよい」
『ごめんなさいー』
「に、しても立ったまま寝るなんて器用な奴だな!」
『ありがとーごぜーますっ』
「「褒めてねェから/よい」」
只今説教を受けてる私。丁寧に丁寧に説教してくるのは髪うすとフランスパン。
「誰が髪うすだよい」
「誰がフランスパンだ」
『いや〜寝起きで』
ん?今私、声に出したっけ?まあそんなことはどうでもいいとしてこの状況。あああっうるさくてたまんない。眠たい。
『じゃ、そゆことで!』
「「いやいやいやっ!?」」
『いーやーだー』
「嫌じゃねェよい!元はと言えばガゼルが悪いんだよい!」
そう、元はと言えば私が悪い。
実は今日の掃除を担当してその後はエースのご飯を作ると言うとてもめんどくさい仕事を任されていた。
しかし掃除中に居眠りしてしまい(しかも立ったままで)、エースのご飯が出来ていなかった。
「ガゼルのせいでエースが死んだんだよい!」
案の定、エースはお腹を空かして死亡。
『おかしいオカシイ!大体何で私がエースのご飯作らなきゃいけない訳!?』
「だってお前、暇すぎて死ねるだの言ってただろ!」
『暇すぎて死ねる人なんていませんー。分かってたけどマルコってバカなんだね』
「おまっ…!」
「まーまー。ガゼルの言う通り、確かに暇すぎて死ぬ奴はいねェ」
「嘘だよい!こいついつも暇だつって死んでるぞ!」
『指さすな指!後死んでたら今ここになんないませんー残念ー』
「おまっ…!」
マルコが私に飛びかかろうとしているのを必死で(笑ってるけど)止めるサッチ。
話しがズレてるから、と言うサッチに私とマルコはハッとする。
本来の話しはエースが(私のせいで)死んでしまったことで、マルコが決して髪薄なことの話しじゃなかった。
私達の目の前でぐったりと倒れているエース。
「…どうすんだよい。息してねぇよい」
「どうするったって…そりゃ…」
『おーいバカエースー!生きかえれー!』
「「!!?」」
『おーい』
「ちょいちょいちょい!何してんだよ、お前ェはよ!!」
サッチがいきなり私の頭をどついた。いきなりなもんだから、さすがの私もタンコブが出来た。
『何って何!』
「いやいや!エース死んでんだぞ!?」
サッチの言葉に目をパチクリさせる。
『でふふっ。エースが死んでる訳なくってよ』
「…誰だよお前ェ」
『確かに死んでるっぽいけどお腹を空かして死亡だなんてダサいにも程があ…―ぐえふっ!』
しっ、死んじまう…!誰かが私の首絞めてはるよ!まだ死にたくはない!死ぬよ!
ぐえぐえげえけえと、苦しもがく私の首を絞めている憎たらしい手の正体は――
「勝手に人を死人扱いすんじゃねェ!」
『ぷはっ…!エ、エース…!』
後ろから腕で首を絞めているエース。これは危ない危険だ!エースは本気だ。
『私死人扱いなんてしてないから!したのはマルコとサッチだから!』
「「!!」」
「るせぇ!元はと言えばなぁ、ガゼルが飯作んねぇからだ!」
『メチャクチャな!』
「その言葉お前にそのまま返す!」
『それを返す!』
「返すな!」
『返すったら返す!』
いつの間にか私はエースの腕を振りほどき自由になってた。私とエースの喧嘩みたいな言い合いが続く。
「やんのかコラ!」
『やったらぁ!表出ろ!』
「お前らよー飽きねェな」
「コントかよい」
『「違う!!!」』
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