みじかいの

□いつも裏には
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「‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥」








「‥‥なぁ、アレ」

「‥‥‥知らん」

「俺だって知らない」







と、言うか‥‥知りたくない。

日曜の昼下がり、家に居たのは俺と潤と両親だけ。

潤と喧嘩しないようにしないと、なんて思っていたが思いもよらないところで喧嘩が勃発してた。

両親の仲はいいほうだと思う。

いや、今この言葉を言ったところで信じる奴は居ないと思うが‥‥普段の仲は決して悪くない。
いや、よすぎるくらいだと思う。


なのに‥‥何故?






「飛び込んで来いよ。お兄様」

「お前に言われると鳥肌立つ」

「俺もだ」





なら言うな。





「‥‥‥‥潤、行くぞ」

「は?おい、放せよ」

「付き合え放蕩息子」





父さんは潤の首根っこを掴んで、引きずってそのまま出て行った。






「え?え?」

「‥‥架くん」

「‥‥‥は、い?」






振り返ると、頬をパンパンに膨らませた母親。

‥‥‥これは、マズい。
その前にいい年してその顔をするのも、それが妙に似合うのも‥‥本当に止めてくれ。

でもそれ以上に‥‥この拗ね方はヤバい。
間違いなく、





「お酒、お母さんの飲みたい」

「‥‥‥はい」





一升瓶コースだ。









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