novels*゚TIGER&BUNNY
□あるひのこと。
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「バニー可愛い」
「何ですかいきなり」
「いや、なんか可愛かったから」
「何処がですか」
「それ、唇。見る度思うんだけどさ、リップとか塗ってんの?」
「唇、ですか」
「うん、唇」
「特にリップとかは塗ってないですけど…。何でそんなこと聞くんですか?」
「え、お前、リップ塗らずにその唇はけしからんだろ!ピンク過ぎるぞ」
「え、ピンク…?」
「ピンクの唇なんてなぁ、思わずキスしたくなっちまうだろ?」
「な、何言い出すんですか虎徹さん!そんな目で僕のこと見てたんですか?!」
「当たり前だろ。恋人なんだから、そんな目で見るに決まってる」
「こ、虎徹さん…。確かにそうですが」
反論しようとしたピンクの唇を、奪う。
「…ほら、そんな可愛い唇してるから」
「いきなりなんて卑怯です」
「そんな唇で俺を誘ったバニーが悪い。ってか、むしろ無自覚なバニーの方が卑怯だ!そんな唇しといて、誰にいつ襲われるか分かんねぇだろ?!」
「…僕は虎徹さんにしか襲われません。…違いますか?」
「うわ、そんなこと言ってくれるなんて…。やっぱ可愛いわバニー。悪い虫がつかないように、俺が守ってやるからな」
「別に虎徹さんに守られなくても、自分でなんとかできます」
「あらら。ツンツンモード入っちまったか」
「何ですか、それ」
「いや、何でもねぇ」
そんなあるひのこと。
可愛い、可愛い恋人。
絶対に守るって決めたから。
どうか、どこにも行かないで。
ずっとそばにいてほしい、なんて思う。
そんなあるひのこと。
「…デレモード、入りましょうか」
「ツンツンモードの意味、分かってたんだな…」