novels*゚TIGER&BUNNY

□だいすきだいすき!
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だいすきだいすき!



いっぱいのだいすきを、あなたに。












僕は虎徹さんが好きだ。





あの茶色い瞳。
あの瞳で見つめられると、くらくらっとする。





年の割に引き締まった体も好き。




僕とはまた違う体つきで、がっしりしてる。




華奢な僕の体なんか、ふわっ、と軽く包み込まれてしまう。








「バニー、どした?」








後ろから、不思議そうな愛しい人の声。この低い声も好きだ。








大人なんだけど、どこか無邪気な子供みたいで。





そんな人を、僕は好きな訳で。










「…虎徹さんのこと考えてました」


…なんて言って振り向くと、嬉しいなぁ、ってにこにこしながら帽子を被り直してる。可愛いなぁ。


こんな穏やかな日常が送れるのが幸せで。

つい、



「だいすきです」












条件反射みたいに、口から言葉がころり。

言うべきじゃなかったな。しかし、時は既に遅し。




だから急に恥ずかしくなってそっぽをむく。



きっと赤いであろう顔を、見られたくなくて。










でも彼は見たかったみたいで。









ひょこ、と僕の前に現れる。その仕草は大人なんかじゃなくて、まるで子供。


いたずらっ子みたいに、にしっと歯を見せて笑ってみせた。












「俺もバニーちゃんのことだいすきだぞー」












そう言いながら頭をぽんぽんされた。






ああもう、やっぱりだいすきだ。











「…だいすきです。だいすき、だいすき」








もう止まらなくなって、虎徹さんの胸に顔を埋める。







「今日は一段と可愛いねぇ、バニーちゃん」










そう、頭の上から声がした。












だいすき。だいすき。







溢れ出るこのきもち、あなたに届いてるかな。





だいすきだいすき!

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