novels*゚TIGER&BUNNY

□それが君に対する気持ちということで
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それが君に対する気持ちということで。



つまり、好きなんだよなぁ。アイツのこと。




「虎徹さん、おはようございます。今日はまた撮影ですよ」




ちょっぴり嬉しそうに言うバニー。


あんな撮影の何が楽しいんだか…。


「まーた水着じゃないだろうな」


「まさか。もう秋ですよ?今日は普通に雑誌の表紙撮影です」






金色の髪をふわふわ揺らして笑う。





「全く…。俺らはヒーローだってのに。アイドルじゃないって」




「まあまあ。これも仕事の内です」



そう諭されると反論できない。相手がバニーだからだろうか。






……惚れた弱味?



なんてな。さっさと終わらせよう。





「はい、お疲れさまでしたー!良いの撮れましたよ」



カメラマンは満面の笑みで俺らに話しかける。



それは良かった、とバニー。

にこにこ、翡翠色の瞳を輝かせて。




それをじっと見つめる。いかんいかん、まるでストーカーだろ、これ。






仕事が終わったので、二人で控え室へ帰る。横を歩くバニーはどこか嬉しそうだった。



そんな顔を見れて幸せだなぁ、と緩む頬。



駄目だ、こいつにどんどん侵食されてる。
気を逸らそうと、手の甲をつねる。地味に痛いな、これ。





「虎徹さん、顔。1人でにやけてるの、不気味です」


横には、ちょっと不思議そうな顔。よし、からかってやろうか。




「なーに、ちょっとバニーが可愛かったからな。思わずにやけちまった」



…言っているこっちが恥ずかしい。からかってるとはいえ、何がしたいんだ俺。



ぴたり、顔に手をあてると熱かった。





「な、虎徹さ、可愛いってどういう…」




あ、もっと熱い奴発見。

翡翠に涙を溜めて、あわあわ、口は思うように動いていない。



頬は熱があるんじゃないかってくらいに真っ赤。やっぱり可愛いな。好きだ。






「だから、こーいうこと」






からかうのはやっぱり向いてねぇや。




そう言って、真っ赤な右の頬にちゅっ、と口付ける。







当然、ますます真っ赤になるバニー。



「こ、虎徹さん」



潤んだ瞳が、俺を捕らえる。


「バニー、これが俺の気持ち」






それが君に対する気持ちということで。

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