dream*゚BASARA
□はんぶんこ。
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「琴実殿ー!佐助から差し入れでござるーっ!」
陽射しが激しく照りつける、ある夏の日。
琴実と幸村は、信玄から庭の手入れを頼まれていた。
ぎらぎら照りつける、真昼の太陽。
雑草を抜くだけの作業に、もうかれこれ4時間くらい費やしている二人の体力は限界にほど近かった。
そこで、暑い中雑草を抜いては捨て、抜いては捨てる二人の姿を見かねて、佐助が団子と抹茶を差し入れに来たのである。
意気揚々と琴実の元へ走る幸村。その嬉しそうな後ろ姿を見届け、佐助は小さく笑う。
次の瞬間にはもう、そこにその姿は見えなかったが。
「ここじゃなくて、縁側で食べない?」
泥まみれの手をぱんぱんはたきながら、琴実は提案する。
砂ぼこりが風に乗り、陽に照らされてきらきら、輝いた。
「うむ!そうでござるな!さぁ琴実殿、縁側へ行くでござる!」
好物の団子を手にして興奮気味の幸村。
口から紡がれる言葉は、いつもより早口で。
その瞳もきらきら、陽に照らされてるみたいに輝いていた。