dream*゚BASARA

□シエスタ。
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  「三成ぃ…」



いつの間にか、縁側で眠っていたらしい。



春の優しい陽がぽかぽか。


寝ぼけ眼のまま三成を呼ぶ。寝ぼけ眼というか、まだ眼を開けてもいないのだけど。




「まだ寝惚けてるのか、琴実。」


半ば呆れたように、頭の上から声が降ってくる。


「三成…?」



声の方へ、まだ重い眼を開ける。


「やっと目を開けたか。そろそろ足が痺れてきたんだが。」


また呆れたように言う三成。気づけば、私は彼に膝枕されていた訳で。




「うわぁっ!ごめんなさい…。重かったでしょ?」



咄嗟に飛び退いて、彼に頭を下げる。


だって、私石頭だし…。
足が痺れるなんて、絶対重かったよ。


そんなこと考えてたら、三成の腕がこちらに伸びてきて。



細い腕。




私より白くて、ちょっと嫉妬しちゃうくらい。




でもしっかりと私を抱き締めてくれる。



「琴実…好きだ。」



こんなこと、いつもは言わないのにね。



春だからかな。


三成も、浮かれてるのかな…?


浮かれてる三成を想像して、思わずふっ、と笑ってしまった。




「私も、好き。だーい好き。」



そう言葉を紡ぎながら、強く抱き返す。肩に手を置き、彼の顔を見つめる。




「やはり春だな…。浮かれた気分になる。」



ぼそりと溜め息混じりに呟いた、彼の頬がすこし朱を帯びた気がして。


長い睫毛がゆっくり、しきりに上下する。



「三成…眠い?」



また腕を背中に回して、彼の背中に問う。



返事は、規則的な寝息。





シエスタ。



さぁ、二度寝しちゃおう。大好きな君と。



春の陽気に浮かされた、二人の恋人がここにも。
 

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