Happy Birthday

□酔った貴方も好きだけど、お酒はハタチになってから
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「ねぇ?***は誰が好きなの?

あっは〜もしかして僕?」




べろんべろんな貴方の口を塞ぎたくて


アタシは貴方にキスをした。






酔った貴方も好きだけど、お酒はハタチになってから







「ごめん。そういうの本当に迷惑だから消えてくれない?」


番組の収録終わり。


スタジオから楽屋に戻ろうと廊下を歩いていた時。



いつもの天使のような笑顔からは想像できない

凄く低く、凄く怖い声を聞いてしまった。




アタシの目の前を涙を流しながら走り去っていく女の子。




その子が走ってきた方向をふと見ると

そこにはもういつものエンジェルスマイルのテミンがいた。


「ヌーナ!もしかして盗み聞き?趣味悪いな〜」

『違うよ!たまたま聞こえちゃっただけ』

「ふ〜ん。ま、いいや。あれ誰にも言わないでよ?」


そう言うとテミンはアタシにチュッとキスをして


「今夜ご飯行こう?」


耳元で囁いた。






「だいたいさぁ***は男のタレントさんとかから言い寄られないわけ?」


お酒を飲みたいなんて言ったテミンに飲ませたアタシが馬鹿だった。



コップ1杯にも満たないアルコールの量に

もうこんなにべろんべろん。



しまいには「***」って呼び捨て。



『テミナ〜ちょっと飲み過ぎぢゃない?』

そんなアタシの問いかけを無視するテミン。



「ねぇ?***は誰が好きなの?

あっは〜もしかして僕?」



そんなこと言うから。



アタシはテミンの口をアタシの唇で塞いだ。



「んっ…ヌナっ?」


最初はビックリしたテミンだったけれど

その気になったのかテミンからアタシの舌を絡めとる。



個室に響くぴちゃぴちゃという水音。


唇が離れるとどちらのものかわからない銀の糸が2人を繋いで、切れる。



「***ヌナは僕が好きなんだね」

『好きって言ったらどうする?』

「ヌナを僕のものにする」


今までに見たことのないような真剣な顔。


『嘘はやめて。テミン、酔ってるんでしょ?』

「酔ってないよ!」

『テミナ、お酒はハタチになってからね』


そう言ってアタシは部屋を出た。





fin.

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