Happy Birthday
□少しくらい卑怯と言われるくらいで貴女が落ちるなら僕は構いません
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『もうやめにしようよ、この関係…』
悲しく部屋に響く君の声。
それは本気?
***がそう思うならやめてあげるよ。
ただ***は僕なしでは生きていけないだろうけど。
『いいですよ、***が望むなら』
意外にもあっさりと受け入れた僕にびっくりしたのだろう。
信じられないというような表情で僕を見る。
「では、さようなら。明日もまた会いましょう、スタッフとアーティストとして」
そう捨て残して僕は***の家を出た。
翌日、いつもよりも他人行儀に***と接する。
『ねっ?チャンミン!』
「あ、はい。そうですね」
ぎこちない空間が耐えられないのかいつもよりもマシンガントークで話す君。
肩に糸屑がついてることに気付いた僕は取ろうと手を肩に持っていく
そしたら偶然に***と手が重なった。
今までだったらそっとヒョンに見つからないように握っていた。
だけど今回は何事も無かったように手を離す。
『チャンミン…酷いよ』
頭の上から降ってきた、か弱い声。
「何が?僕が酷いことしましたか?」
あえてユノヒョンに聞こえるようにボリュームを上げて聞き返す。
ユノヒョンは、たとえ彼女であろうと僕に何か言う人には注意したり叱る。
僕はそれを知っててわざと聞こえるように言う。
そしたら案の定ユノヒョンが来た。
「何?どうしたのケンカ?」
「何でもないですよ」
「そっか。***もあんまチャンミンいじめないでね?」
『あ、うん』
そう言うとユノヒョンは衣装合わせに行った。
楽屋には僕と君の2人だけ。
『チャンミン…卑怯だよ、バカ』
「卑怯なのはどっちですか?」
『アタシはいつ卑怯なことしたのよ!』
「常にしてるぢゃないです」
『何をっ?』
「僕のことも…ヒョンのことも、両方誘惑してる」
『…なっ!ちがっ』
「違わないでしょ?ま、もう僕には関係ないですが」
そう言うと君は少し俯き、少しシーンとなった。
『チャンミナ…』
「なんですか?」
『やっぱりやめたくない』
「何をですか?」
『チャンミンとのこの関係…』
「何でですか?」
『好きだから…』
「誰が?」
『チャンミンが!もうっ!さっきから質問ばっかり!卑怯だよ!』
少しくらい卑怯と言われるくらいで貴女が落ちるなら僕は構いません。
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